旧正月が近づき、中国はスマートコントラクト機能からオフライン決済まで、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、すなわちデジタル人民元の導入に邁進している。
CBDCとその実装に関する話題が注目を集めている。 中国などいくつかの国が先頭に立ち、米国、ロシア、ヨーロッパ、英国など、その他の大国はまだ準備段階にある。
中国の牽引力の強まりは、世界経済のデジタル化とデジタル決済への需要の高まりと直接関係している。そのため90%以上の中央銀行がCBDCについて研究を始めている。
米・連邦準備制度理事会と民間銀行グループは、12週間のデジタルドル試験プロジェクトを開始した。しかし、経済的自由という概念にはまだ懸念がある。導入は2023年も引き続き進められ、ヨーロッパからロシアまで、プロセスを早めるためのあらゆる重要なステップを踏み出しているが、どのような代償を払うことになるのだろうか。
中国のデジタル人民元(e-CNY)のイテレーション(開発サイクル)は、現実世界に変化をもたらすいくつかの可能性を示している。導入率は着実に上昇しており、ユーザーは現実的な利益を実感している。では、このイノベーションの魅力は何であろうか。
実際のユースケースを理解する
中国は昨年、iOSとAndroidユーザー向けに最新のデジタル人民元アプリをリリースし、全国20都市以上で大きな反響を呼んだ。このアプリは、アプリストアで5点満点中4.4点のスコアを獲得し、2億5千万人以上のユーザーを獲得し、チャートのトップに立った。
複数の要因がその隆盛を後押ししている。例えば、ユーザーは多数の銀行口座を1つのアプリに接続するため、銀行ごとに中央銀行のデジタル通貨アプリが必要ではなく、1つのアプリと複数の銀行で利用できることになる。
次に、このアプリではQRコードによる決済が可能であり、これはすでに数百万人の中国人が利用している。そのほかのさまざまな機能も、年内中に追加される予定だという。
問題は、e-CNYアプリが何か新しいことをもたらすかどうかである。AlipayとWeChat Payにはすでに優れたアプリがあるが、e-CNYが飛躍するためには、何か新たな付加価値を提供する必要があるだろう。
新機能の搭載
e-CNYはスマートコントラクトの有用性を活かし、オフラインで証券の購入や決済を行うことができるようになる。暗号資産関連の通信社8btcは、小売やフードデリバリーサービスを含む新機能の一部を明らかにした。
8btcは「スマートコントラクトは、注文情報を自動的に識別する。注文の商材・商品名に「キーワード」が含まれていると仮定した場合、システムは自動的にスマートコントラクトを起動し、毎日8,888元(約1,300円)の紅包(ホンパオ)を分割し、合意したウォレットに紅包を分配する」と説明した。
紅包は、旧正月前後に好意の印として贈られる。事実、こうした主要な伝統的風習を取り組むことは極めて重要だ。実際、昨年の旧正月にこの機能が導入されると、多くのユーザーがこのネットワークに殺到した。
中国の証券プラットフォーム「スーヂョウ・セキュリティーズ(東呉証券股分有限公司)」はバンク・オブ・チャイナと協力し、同社の資産管理商品においてデジタル人民元決済機能を開始した。
ユーザーはモバイルアプリを通じて、CBDCを利用して証券を取得することができる。さらに、デジタル人民元決済アプリのユーザーはオフラインでも利用できるようになり、これはエンゲージメントを高める重要な機能となる可能性がある。
採用を制限する可能性の大きな要因としては、プライバシーに関する問題が挙げられる。CBDCの登場によって、ユーザーの移動は完全に制限されてしまうのか。これは、時のみぞ知ることだ。
これら不可欠なステップは、プライバシーの懸念などがあるものの、デジタル人民元の運用をサポートしている。さらに、先述の通り、ほかの国々は最大の競争相手に負けないようにCBDCの運用を早急に進めてきた。とはいえ、CBDCの登場はユーザーの動きを完全に制限することになるのか?これもまた、時のみぞ知ることだろう。
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