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波乱の1週間:ビットコイン4%安、下落の要因は?

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著者:
Paul Kim

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編集:
Shigeki Mori

01日 9月 2025年 10:04 JST
Trusted-確かな情報源
  • 先週、ビットコインの価格は大口投資家による大量売却で4%下落した。
  • 暗号市場の低迷は、米国の主要AI株の業績不振で悪化した。
  • ビットコインの将来は、米国の経済指標と債券入札による流動性にかかっている。
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アジア太平洋モーニングブリーフへようこそ。アジア太平洋地域の市場と世界のセンチメントを左右する、昨晩の暗号資産動向をまとめた要約版です。月曜日版は先週のまとめと今週の予測をポール・キムが提供します。緑茶を片手に、1日の始まりにぜひご一読ください。

先週、ビットコインの価格は約4%下落した。変動の激しい暗号資産市場では珍しいことではないものの、2週間前に12万ドルを突破した価格が10万ドル台に後退したことで、投資家心理に陰りが見える。価格急落の背景には大口投資家の売りと株式市場の低迷という二重の重荷があった。

クジラの売りが起点

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今回の急落要因を詳しく分析すると、大口投資家の売りと株式市場の軟調が重なった影響が浮かび上がる。

価格下落の発端は、長期保有者として知られる大口投資家(クジラ)の売りだった。オンチェーン分析プラットフォームのLookonchainによると、この投資家は10万ビットコインを超える大量保有していた。

先週月曜日、同投資家は突如として取引所での売却を開始した。売りはハイパーリキッドやイーサリアムへの資金移行も含む大規模なもので、1日以上にわたって続いた。この結果、ビットコイン価格は11万4000ドルから10万8600ドルまで急落した。

ただし、売り圧力が一時的なものと判明すると市場は落ち着きを取り戻した。同木曜日夜には11万3500ドルまで回復し、下落前の水準にほぼ戻した。

AI株が市場全体を押し下げる

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ビットコインが回復しつつある中、予期せぬ新たな脅威が現れた。米国株式市場の上昇を支えてきた主要なAIおよびデータセンター企業が、Q2の業績報告で失望を招いた。報告書は高い負債と利益率の低下を懸念している。

  • CoreWeave(CRWV)はQ2報告後、株価が33.1%下落。
  • Marvell Technology(MRVL)はデータセンター部門が市場予想を下回り、約19%下落。
  • 市場のリーダーであるNVIDIA(NVDA)も、Q2の記録的な収益を達成したにもかかわらず、センチメントの悪化により3.32%下落。

このAI株の下落により、ナスダックは1.32%下落し、8月1日の雇用関連の急落以来の最大の下げ幅となった。ビットコインは6月以来ナスダックと高い相関を示しており、その価格も3.72%下落した。

この一連の出来事は、今日のリスク資産がいかに相互に関連しているかを示している。

ビットコインの今後の展望

ビットコインが苦戦する中、市場予測は混在している。強気なアナリストは迅速な回復を予測する一方、さらなる10万ドルへの下落を懸念する声もある。

多くは10万7000ドル付近でのサポートを期待しているが、一部の悲観論者は下落が激化すれば9万2000ドルへのさらなる調整を警告している。

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この悲観論は、イーサリアムと比較してビットコインの最近の勢いの欠如に起因している。先週の6.31%の下落にもかかわらず、イーサリアムのセンチメントと上昇の勢いは依然として強い。

一時は、イーサリアム投資家の間で「アンステーキングの恐怖」が広がっているように見えたが、今ではほぼ消えたようだ。イーサリアムDAT企業Bitmineの会長であるトム・リーは、ETHが数週間で5500ドルに達し、年末までに1万ドルから1万2000ドルに達する可能性があると主張している。これは現在の取引価格4483ドルから4か月で100%の価格上昇を必要とする。

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今週、市場を動かす可能性のある2つの主要なマクロ経済イベントがある。1つ目は火曜日の米国債オークションで、約2900億ドルの短期債が市場に出る。これにより流動性が損なわれ、ビットコインにさらなる圧力がかかる可能性がある。

2つ目は金曜日の米国非農業部門雇用者数(NFP)と失業率の発表。NFPが6万人を下回ると、利下げ継続の期待が高まり、ビットコインのようなリスク資産を押し上げる可能性がある。

先週の出来事は、ビットコインの価格が今や内部要因よりも世界的な流動性と米国市場全体に密接に結びついていることを証明している。投資家はこの高い変動性の可能性がある期間に注意を払うべきである。

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