戻る

ゆうちょPay終了へ、次の一手はデジタル預金

sameAuthor avatar

執筆&編集:
Shigeki Mori

16日 12月 2025年 08:06 JST
  • ゆうちょPayは口座直結の強みを活かせず2026年末で終了する
  • ゆうちょ銀行は2026年度にトークン化預金の提供を検討している
  • 決済戦略は店頭向けからデジタル資産インフラへ移行しつつある
プロモーション

ゆうちょ銀行は15日、スマートフォン決済「ゆうちょPay」を2026年末で終了すると発表した。同行は、口座即時引き落としなど銀行ならではの機能を十分に活かせなかった点を理由に挙げる。一方、ゆうちょ銀行は2026年度を目途に、ブロックチェーンを活用したトークン化預金、いわゆるステーブルコイン類似のデジタル預金通貨の導入を検討している。両施策は決済戦略の転換を示すものなのか。

ゆうちょPay終了が示す決済戦略の限界

ゆうちょ銀行は、個人向け決済サービスとして展開してきた「ゆうちょPay」を2026年12月20日で終了する。背景として同行は、口座即時引き落としという銀行ならではの強みを十分に訴求できなかった点を挙げている。

Sponsored
Sponsored

国内のQRコード決済市場では、加盟店網やポイント還元を武器にした民間決済事業者が先行し、銀行主導の決済サービスは存在感を示しにくかった。加えて、複数の地方銀行と連携する「銀行Pay」も同時に終了することで、銀行系QR決済が抱える採算性やスケールの課題が浮き彫りになった。

トークン化預金で再定義される「口座直結」

一方、ゆうちょ銀行は2025年9月、トークン化預金の取り扱いを検討していることを明らかにした。これは、預金をブロックチェーン上でトークンとして表現し、デジタル資産取引の決済に利用する構想だ。

NFTやセキュリティトークンの売買と連動する決済手段として、2026年度中の提供開始を目指す。預金という既存の金融インフラを基盤にしつつ、即時性やプログラマブル性を付与する点が特徴だ。ゆうちょPayでは埋没した「口座直結」という概念が、デジタル資産分野では差別化要因として再評価される可能性がある。

店頭決済からインフラ提供へ軸足移動

ゆうちょPayの終了とトークン化預金の検討は、公式には別個の施策とされている。ただし、両者を並べると、同行の決済戦略が「消費者向け決済アプリ」から「取引インフラ提供」へと重心を移しつつある姿が浮かび上がる。

競争が激化する店頭決済市場での消耗戦を避け、デジタル証券や暗号資産関連取引の決済基盤を担う方向に活路を見いだす狙いとも読める。ゆうちょ銀行にとって今回の判断は、単なるサービス終了ではなく、決済の主戦場を再定義する転換点となりそうだ。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード