日本経済新聞が24日、報じたところによれば、政府は今週中にも中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入とそれに伴う法改正を検討するという。この議論は関連省庁と日本銀行の理事が参加する新設連絡会議で行われ、CBDCの導入に必要な法的枠組みが主な議題となる。
日銀は現時点でCBDCの発行計画はないが、政府と日銀は導入の可能性に備えて準備を進めている。23年12月、財務省の有識者会議はCBDCに関するプライバシー保護やセキュリティ対策の制度設計をまとめ、具体的な検討に入っている。
CBDC導入には個人情報保護、所有権や移転、不正利用などの課題があり、これらの問題に対応する法律の規制が議論点となる。日本銀行法や通貨法に基づき、現行の紙幣や硬貨が法定貨幣として認識されているため、CBDCを法定貨幣とする場合、法律の改正や拡充が必要になる可能性がある。
有識者会議の委員である井上聡弁護士は同社に対し、CBDC発行のための専用法整備の必要性を指摘。「現行法の解釈や運用の見直しが必要だが、法改正が不要な範囲も存在するため、必要な対応範囲はこれからの検討によって決まる」と述べた。日銀は11日、CBDCフォーラムに参加する追加企業を発表していた。
CBDCの開発競争は24年に加熱か
金融大手のモルガン・スタンレーはこのほど公開したレポートで、中央銀行デジタル通貨(CBDC)への世界的な関心が高まっていると主張。23年半ばには111カ国がCBDCを開発しており、これらの国々は世界GDPの95%以上を占めると指摘した。中国は20年にデジタル人民元を導入し、取引高は1.8兆元に達した。ブラジルもデジタル通貨DREXのパイロットを計画しており、これはトークン化された銀行預金に基づく取引を目的とする。同社はCBDCの普及は、国境を越えた支払いにおける新たな標準を設定し、従来の仲介業者への依存度を減らす可能性があるとした。
暗号資産(仮想通貨)トラッキングサイト、コインゲッコーが23年8月に公開したレポートでは、各国のCBDCの開発スピードに関しては、発展途上経済が先進経済よりもCBDCにおいて速い進展を見せていることが明らかになった。米前大統領のドナルド・トランプ氏は18日、CBDCの発行に反対すると表明した。米ドルのCBDCの動向をめぐっては11月に控える大統領選に注目が集まる。
国際決済銀行(BIS)イノベーションハブは23日、中央銀行を支援する技術分野の公共財の開発の進捗を明かした。そのなかでもBISイノベーションハブ香港センターは、Project Aurumの新段階として、リテールCBDCにおける支払いのプライバシーに焦点を当てる研究を開始する。Project Aurumは、中央銀行が発行し償還するCBDCのプロトタイプを開発するプロジェクトで、流通と決済サービスは民間が担当する。
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