日本円建ステーブルコイン事業を手がけるJPYC社は19日、開発者向けのテスト用トークン配布ツール「JPYC Faucet」を公開した。テストネットワーク上で無償でトークンを取得できる仕組みで、事業者が実資金を使わずに決済システムの検証を行える環境を整えた。複数のブロックチェーンテストネットワークに対応し、開発初期段階での技術検証を容易にする狙いがある。
Sponsoredウォレット接続のみでテスト用トークンを即時取得
JPYC Faucetは、開発者がウォレットを接続するだけでテスト用のJPYCトークンを取得できるツールだ。Ethereum Sepolia、Polygon Amoy、Avalanche Fujiの3つのテストネットワークに対応し、残高照会や送受信といった基本機能の動作確認が可能となる。利用は無償だが、ネットワーク手数料として各テストネットのネイティブトークンが別途必要となる。
従来、ブロックチェーン関連サービスの開発では、テスト環境用のトークン確保が課題の1つとされてきた。今回のツール公開により、サービス設計段階での技術検証やパートナー企業との共同検証といったプロセスが短縮される可能性がある。公式サイト(https://faucet.jpyc.co.jp/)から誰でも利用できる。
専用プラットフォームを通じた発行体制を整備
JPYCは2021年からステーブルコイン事業を展開し、前払式支払手段として「JPYC Prepaid」を発行してきた。2023年6月の改正資金決済法施行を受けて資金移動業者としての登録を申請。2025年8月18日に金融庁から資金移動業者(第二種)としての登録を取得し、国内で初めて日本円建ステーブルコインの発行が可能な資金移動業者となった。同年10月27日には専用プラットフォーム「JPYC EX」を立ち上げ、新たなステーブルコイン「JPYC」の発行と償還業務を開始した。
JPYC EXでは、マイナンバーカードによる本人確認を経て、ユーザーが日本円を入金するとブロックチェーン上でJPYCが発行される仕組みだ。償還時にはトークンがバーンされ、同額の日本円が銀行口座に振り込まれる。第二種資金移動業の登録であるため、送金は1回あたり100万円以下に制限される。今回のテスト用ツール公開は、こうした本格発行に向けた開発者向け環境整備の一環と位置づけられる。