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日本初、ブロックチェーンで「脱炭素を民主化」—KlimaDAO、リアルタイムカーボンオフセットを実証

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執筆&編集:
Shigeki Mori

17日 3月 2026年 09:49 JST
  • KlimaDAO JAPANがFIN/SUM 2026でブロックチェーン技術を活用したリアルタイムカーボンオフセットツール「AnyOffset」を実証し、60人以上が参加した。
  • 同社代表の濱田氏が金融庁主導パネルに登壇し、個人参加型の気候変動対策「脱炭素の民主化」について議論した。
  • AnyOffsetはQRコード読み取りのみでJ-クレジットのオフセットが完了し、自治体・企業向けBtoCモデルへの展開も構想されている。
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ブロックチェーン技術を活用した気候変動対策を推進するKlimaDAO JAPANはこのほど、金融庁と日本経済新聞社が共催する国内最大級のフィンテック・カンファレンス「FIN/SUM 2026」において、日本初のリアルタイムカーボンオフセットツール「AnyOffset(エニーオフセット)」の実証デモを実施した。

同社代表取締役の濱田翔平氏は金融庁主導のパネルディスカッションにも登壇し、個人を巻き込んだ気候変動対策の可能性を論じた。カーボンクレジット市場のWeb3活用が加速するなか、専門知識なしでのオフセット参加を実現する同ツールへの関心が高まっている。

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FIN/SUM 2026で金融庁パネルに登壇、脱炭素の「民主化」を議論

KlimaDAO JAPANの代表取締役・濱田翔平氏は、3月4日に開催された金融庁サステナブルファイナンス推進室が主導するパネルディスカッションに登壇した。テーマは「テクノロジーが拓くサステナブルな選択:デジタル技術が個人の投資・消費行動にもたらす可能性」で、丸ビル7階HALL Aを舞台に約50分にわたって議論が交わされた。

濱田氏は登壇の中で、ブロックチェーン技術を活用したカーボンクレジット市場の透明性向上と、企業・自治体・個人を問わず誰もが気候変動対策に参加できるエコシステムの構築について言及した。FIN/SUMは今年で10回目の開催となり、「AI×ブロックチェーンが創る新金融エコシステム」をテーマに国内外の有識者や金融機関が参集した。

なお、全セッションのアーカイブ動画は2026年4月13日まで無料公開されており、EventRegistでの登録により誰でも視聴できる。

日本初のリアルタイムカーボンオフセット「AnyOffset」とは

今回の目玉となったのが、同社が現在開発中のカーボンオフセットツール「AnyOffset」の実証デモだ。会場では参加者1人につき1kgのCO₂をその場でオフセットできる仕組みが提供され、使用したカーボンクレジットには岐阜県の森林由来のJ-クレジットが採用された。

AnyOffsetの操作フローはシンプルだ。参加者がQRコードを読み取り、パスキーまたはメールアドレスで登録すると、AA(アカウントアブストラクション)ウォレットが自動で生成される。専門知識もガス代も不要で、ブロックチェーン上でカーボンクレジットトークンのリタイア(無効化)が即時実行され、その証明がNFT(参加証明)として発行される。

AnyOffset イメージ 出典:KlimaDAO JAPAN

従来のカーボンクレジット取引・償却には専門的な知識や煩雑な手続きが伴ってきた。AnyOffsetはこの参加障壁を取り除き、QRコード1つで実際の森林保全プロジェクトに紐づいたオフセット参加を実現するとしている。オフセットの全トランザクションはブロックチェーン上で実行されるため、透明性とトレーサビリティが確保される。また、オフセット実績は個人の「スコア」として蓄積され、インセンティブ付与による継続的な参加促進を図る設計となっている。

カーボンクレジット市場の新モデル―自治体・企業・個人をつなぐ構想

AnyOffsetの活用想定は、イベント会場の実証デモにとどまらない。同社は自治体や企業との連携による幅広い展開を視野に入れている。

自治体向けには、地域で創出されたカーボンクレジットをAnyOffsetに組み込むことで、住民参加型の脱炭素施策を実現するユースケースが想定される。公共施設や商業施設にQRコードを設置し、住民が読み取ることでオフセットを行うほか、地域の祭りやスポーツ大会などのイベントでの活用も考えられる。

企業向けには、消費者やイベント参加者が直接オフセットに参加することで企業の脱炭素目標達成と市民の環境意識向上を同時に実現する、BtoCモデルの構築が挙げられる。従来BtoB取引に閉じていたカーボンクレジット市場に消費者接点を生み出し、市場全体の活性化を図るという構想だ。

3月18日にJBAでも実証デモ―カーボンクレジット×ブロックチェーンの普及へ

KlimaDAO JAPANは、次の実証機会として18日開催の一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)主催「サステナビリティ分科会 講演会:カーボンクレジットとブロックチェーン」においてもAnyOffsetのリアルタイムカーボンオフセット体験を実施する予定。オンライン(Zoomウェビナー)形式で参加費は無料。九州大学主幹教授でaiESG代表の馬奈木俊介氏も登壇し、カーボンクレジットとブロックチェーンをテーマに講演が行われる。

同社は2023年10月に設立され、2025年に「Japan Financial Innovation Award」を受賞した。グローバルの気候変動対策プロジェクト「Klima Protocol(旧:KlimaDAO)」の技術を基盤に、カーボンクレジットのマーケットプレイス開発、環境価値を活用したアプリケーション開発、気候変動に関するリサーチ・コンサルティングの3領域を展開している。脱炭素社会の実現を支えるWeb3インフラとして、今後の社会実装の広がりが注目される。

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