ブロックチェーン分析大手CryptoQuantのキ・ヨンジュCEOが12日、ミームコインの市場優位性が数カ月ぶりの低水準に落ち込んだとして「ミームコインは死んだ」と発言した。オンチェーン指標で資金流入の鈍さや投機余力の縮小が浮き彫りになる中、市場では転換点を迎えたとの見方が強まる一方、売り圧力が一巡し底入れに向かうとの期待も残る。
投資家心理は分岐しており、価格回復の有無が今後の市場トレンドを左右する可能性がある。
Sponsoredミームコインの市場占有率、2024年初以来の低水準
CryptoQuantのデータによると、今年に入ってミームコインのアルトコイン市場における優位性は継続的に低下してきた。2024年11月に約0.109でピークを付けたが、現在は0.034と2024年2月の安値と同水準にある。この下落は、投機的ミームトークンからの確かな資金流出を示唆するもの。
CoinGeckoのデータもそれを裏付けている。 ミームコインのサブカテゴリー全体の時価総額は、2024年末から2025年初頭にかけて明確なピークをつけた後、持続的な下落局面に入った。年単位では主要なミームトークンが大きな下落に見舞われている。
ドージコイン(DOGE)は66.3%下落、柴犬コイン(SHIB)は71.3%下落した。Pepe(PEPE)の損失はさらに大きく、81.6%の下落。さらに、Bonk(BONK)は同期間で76%下落した。
全体として、ミームコイン市場は65.9%下落したとArtemisの データは示す。ソラナのミームコインセクターも特に厳しい打撃を受けた。Alphractalのジョアン・ウェドソンCEOは、次のように指摘する。
Sponsored Sponsored「ソラナのエコシステム内のミームコインとアルトコインは、これまでで最悪の局面に突入した――多くはただ“死んだ”だけだ」
同氏はまた、決済系アルトコインが依然として底堅いことから、実用性と投機性の違いが浮き彫りになっているとも指摘した。
ミームコインはなぜ失速したのか
アナリストはミームコイン優位性低下の要因を複数挙げている。トレーダーの中には、極端に低コストなローンチがラグプルへの保護策もない状態を生み、信頼やコミュニティ精神、長期保有を損ねたとし、短期的な搾取だけが残ったと指摘する。
Sponsored Sponsored「これについてはPumpfunとAlonにまさに“感謝”すべきだ……ミームコインが1ドル以下で、ラグプルへの保護もゼロで立ち上げられてよいはずがない。何度もラグられて、コミュニティ意識やHODLの概念は完全に失われた。誰も信じていない、みんな搾取するだけだ」とDeFiApeは 投稿した。
またSolidus Labsの調査によれば、Pump.funで立ち上げられたトークンの98.7%がポンプ&ダンプの特徴を示していた。同時に、Raydiumの動向からは、約36万1000の流動性プールのうち93%がソフトラグプルの兆候を見せていることも判明した。
アナリストのMikko Ohtamaa氏は、セクターが過密になった点も指摘した。
Sponsored「世界中の注目が2,500万ものミームコインにはとても向けられない。そして“勝ち組”の中でさえ、“投資家”は損失を出す……ミームコインには投資が存在しない。ただのポンプへの参加だ。投資目的でミームコインを買うのではない。“上がる”と信じ、天井で売れることを願っているだけだ。犯罪性に頓着しない――犯罪の一員になりたいだけだ」と同氏は述べている。
ミームコインは回復するか
これほど悲観的な見方が広がる一方で、ミームコイン復活を信じる向きも存在する。優位性の低下を底打ちのシグナルと見る声もある。
著名なコメンテーターのゴードン氏はX上で、ミームコイン批判者は「非常に近視眼的で低IQだ」と主張した。同氏は、ミームコインが暗号資産への注目と取引高を牽引してきた原動力であると強調し、今後の再成長を予測している。
「暗号資産に注目が集まる唯一の理由はミームコインにある。取引量が生まれる唯一の理由もミームコインにある。ミームコインは今後も消えることなく、次のブルランを牽引すると考える」と同氏は主張した。
現時点でミームコイン市場は分岐点にある。回復が続くか下落が進むかは、市場全体の動向やセンチメントの変化、そして正当なプロジェクトが詐欺案件と差別化できるかどうかに左右される。