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メタプラネット、永久型優先株で資本戦略転換─BTC保有3万枚突破

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執筆&編集:
Shigeki Mori

14日 11月 2025年 15:42 JST
Trusted-確かな情報源
  • メタプラネットは2025年第3四半期にビットコイン保有量3万823枚を達成し、5550億円の資本調達により年間目標を超過達成した
  • 同社は永久型優先株式戦略を導入し、普通株の希薄化とリファイナンスリスクを最小限に抑えながらBTCイールド効率を向上させる
  • 第3四半期の売上高は24億円に達し、ビットコインインカム事業がオプションプレミアム戦略により23億円を生み出した
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ビットコイン財務戦略企業の株式会社(東証スタンダード・3350)は14日、2025年12月期第3四半期決算説明資料を公表し、ビットコイン保有量が3万823枚に到達したと発表した。

同社は2024年4月8日にビットコイン・スタンダードを採用して以来、わずか1年半で保有量を412%増加させ、2025年度の目標である3万枚を前倒しで達成した。取得総額は4899億円、平均取得単価は1589万3013円となっている。

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ビットコイン蓄積戦略が順調に進展

メタプラネットは2024年4月のビットコイン・スタンダード採用以降、日本で最大規模となる5550億円の資本調達を実施してきた。同社のBTCイールド(完全希薄化後発行済株式数1株当たりビットコイン保有量の変化率)は、2025年第3四半期に33.0%を記録し、普通株主1株当たりのビットコイン保有量を着実に増加させている。株主数も21.2万人に拡大し、投資家基盤の拡大も進んでいる。

第3四半期の業績面では、売上高24億円、営業利益13億4000万円を計上した。特にビットコイン・インカム事業が大きく成長し、BTCオプションプレミアム収入を中心に23億円の売上高を計上。前四半期の11億3000万円から倍増した。同社は2024年第4四半期にビットコインインカム事業を開始し、これが現在の主要な収益源となっている。通期では売上高68億円、営業利益47億円の業績予想を維持している。

永久型優先株式で資本構造を革新

メタプラネットは資本戦略の新たな柱として、A種およびB種の永久型優先株式の発行体制を整えた。この戦略は「デジタル・クレジット」と位置づけられ、ビットコインを裏付けとした利回り付き有価証券として、日本の債券・固定利付資本市場の変革を目指すものである。同社は2025年9月1日の臨時株主総会で承認を得て発行登録も完了しているが、現時点では未発行の状態である。

永久型優先株式の最大の特徴は、満期やリファイナンスリスクがない恒久資本であることだ。A種は固定配当・転換権なしの安定配当重視型、B種は固定配当に加えて転換権を持つキャピタルゲイン期待型として設計されている。発行上限はBTC純資産価値(BTC NAV)の25%に設定され、保守的な資本方針を維持する。調達資金は全額ビットコインの追加取得に充当され、普通株を希薄化させることなく1株当たりBTCを増加させる仕組みである。

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同社の経営陣は、現在の市場環境下でmNAV(企業価値÷ビットコインNAV)が1.0倍近辺にある状況では、普通株式による資金調達の効率性が低下すると判断。永久型優先株式による調達が、BTCイールドの効率的向上、ビットコイン上昇時のレバレッジ効果の拡大、永久資本の確保という3つの目的を達成する最も合理的な手段であると説明している。

2027年までに21万BTCを目標

メタプラネットは長期戦略として、2027年までにビットコイン総供給量の1%に相当する21万枚の保有を目標に掲げている。この目標達成には約3兆円の資金調達が必要となるが、同社は普通株式と永久型優先株式の2つの補完的な調達手段を活用し、市場環境に応じて最適な資本構成を追求する方針である。

ただし、同社の株価は同日、400円(前日比3円高)で取引を終えたものの、6月16日に付けた過去6カ月の最高値1895円からは大きく後退したままだ。ビットコイン保有量の着実な積み上げにもかかわらず、株価の回復には至っていない。

メタプラネット株価:ヤフーファイナンス

収益面では、BTCインカム事業の継続的な拡大を図る。熟練したトレーディングチームによる高度なオプションプレミアムの収益化に加え、新たにBitcoin.jpプラットフォームによる収入事業を開始。2026年からはProject Novaの稼働も予定している。これらの事業収益を優先株式の配当原資に充当するとともに、余剰キャッシュフローをビットコインの追加取得に再投資する好循環を構築する。

同社は米ナスダック上場のストラテジー社に次ぐ世界で2番目のビットコイン・スタンダード採用企業として、現在は米国以外で世界最大のビットコイン保有上場企業となっている。

1980年代のハイイールド債や1970年代のモーゲージ担保証券が金融史を変えたように、デジタル・クレジットはビットコインという検証可能で希少な資産を基盤とした新たな信用創造の形として、日本のビットコイン裏付け債券市場をリードし、グローバル金融の新時代を切り拓くことを目指している。

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