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メタプラネット、ビットコイン関連インフラ投資の新子会社設立—初弾はJPYC社へ最大4億円

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執筆&編集:
Shigeki Mori

12日 3月 2026年 16:39 JST
  • メタプラネットがビットコイン関連インフラ投資に特化した完全子会社「メタプラネット・ベンチャーズ」を設立。今後2〜3年で総額40億円の投資を計画している。
  • 新子会社はベンチャー投資・インキュベーター・助成金の3事業を展開し、日本国内のビットコインエコシステム整備を推進する方針だ。
  • 初の投資案件として、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行企業であるJPYC社のシリーズBラウンドへ最大4億円の出資を予定する。
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ビットコイン財務戦略企業国内最大手のメタプラネット12日、ビットコインエコシステムおよび関連金融インフラへの戦略的投資を専門とする完全子会社「メタプラネット・ベンチャーズ」の設立を発表した。同社は今後2〜3年間で総額40億円の投資を計画しており、その原資にはビットコインインカム事業から生じるキャッシュフローを充てるとしている。

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ビットコイン金融インフラの「空白」を埋める新会社

メタプラネット・ベンチャーズ設立の背景には、日本国内のビットコイン関連金融インフラが機関投資家の本格参入に必要な水準に達していないという問題意識がある。日本はデジタル資産分野で世界有数の規制枠組みを整備しており、ビットコインが2028年1月までに規制上の金融資産として再分類される可能性が指摘されている。しかし、カストディ、レンディングプラットフォーム、決済レール、ステーブルコイン決済システム、オプション・デリバティブ市場など、機関投資家が必要とするインフラの多くは依然として整備途上にある。

投資・インキュベーター・助成金の3本柱で

メタプラネット・ベンチャーズはこの空白を埋めることを明確な使命として掲げ、三つの事業柱を軸に展開する。第一は「ベンチャー投資部門」で、シード期から成長期にかけてのビットコイン関連金融インフラ企業への直接出資を行う。対象分野は、レンディング・担保、Lightningネットワークを活用した決済、ステーブルコイン技術、コンプライアンステクノロジー、トークン化、投資商品開発ツールなど多岐にわたる。

第二の柱は「インキュベータープログラム」だ。国内のビットコインおよびデジタル資産関連インフラ企業を対象に、シード資金の提供に加え、メタプラネットが保有する流通チャネル、プラットフォーム、メディア、投資家ネットワークへの直接アクセスを提供する。戦略的な整合性が高いと判断された企業については、メタプラネットグループへの買収・統合も視野に入れるが、それ以外の企業は独立した成長を支援する方針だという。

第三の柱は「助成金プログラム」で、日本国内のビットコインおよびデジタル資産分野で活動するオープンソース開発者、研究者、教育者、コミュニティオーガナイザーを対象に、出資を伴わない形での資金支援を行う。技術人材の育成と社会的理解の促進を通じ、日本のビットコインエコシステムの長期的発展に貢献することが目的だとしている。

初の投資案件—JPYCへ最大4億円

メタプラネット・ベンチャーズの設立発表と同日、同社は日本円建てステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC社のシリーズB資金調達ラウンドに最大4億円を投資することを目的とした基本合意書(Letter of Intent)を締結したことも明らかにした。出資はメタプラネットからの貸付金を通じて2026年4月に実施される予定で、デューデリジェンスの完了と最終契約の締結を条件としている。

JPYC社は金融庁から資金移動業者の登録を取得し、日本国債を中心とした準備資産で裏付けられた完全準備型の円建てステーブルコインを発行している。2025年10月の発行開始以来、日本円建てステーブルコイン市場で先行的な地位を占める事業者だ。メタプラネットは、あらゆるビットコイン取引には必ず通貨サイドの決済が存在するとの認識のもと、この「通貨レイヤー」をデジタルネイティブなインフラで置き換える動きが加速すると見ており、JPYC社への出資はその先手を打つものと位置づけている。

具体的な戦略的活用として、企業証券のトークン化、ステーブルコインを用いたデジタル資産商品の分配、デジタル円決済を活用したビットコインのレンディング・担保インフラ、さらにはBTCと円建てステーブルコインの双方に対応する統合ウォレットサービスなどが検討されている。

中核戦略は不変、エコシステム全体への拡張と位置づけ

メタプラネットは、財務準備資産としてビットコインを取得・長期保有するという中核戦略に変更はないと強調している。メタプラネット・ベンチャーズはその戦略をビットコインエコシステム全体へと拡張するための事業体と位置づけられており、日本が機関投資家によるデジタル資産採用の次の段階を主導できる市場となるための基盤整備を担う役割を期待されている。

なお、本件がメタプラネットの2026年12月期連結業績に与える影響は軽微とみられる。同社は重大な業績変動が生じた場合には速やかに開示するとしている。投資総額40億円の規模は今後の事業拡大に応じて追加的な資本スキームの導入も検討されており、メタプラネット・ベンチャーズの動向は日本のビットコイン関連スタートアップ市場全体にとっても注目を集めることになりそうだ。

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