韓国金融グループ大手未来アセット証券が、国内暗号資産取引所Korbitの買収に向けて本格的な交渉に入った。買収額は最大1億ドル(約150億円)に達する見込みで、成立すれば韓国における伝統的金融機関による暗号資産事業への本格参入として注目される。未来アセット証券は運用資産7000億ドル超を誇る金融コングロマリットで、今回の買収により暗号資産市場での事業拡大を目指す。
韓国最古参取引所の売却交渉が進展
未来アセット証券がKorbitの買収に向けた優先交渉権を獲得した。複数の韓国メディアが28日、報じた。Korbitは2013年に設立された韓国初の暗号資産取引所として知られ、現在は米暗号資産取引所Krakenの子会社として運営されている。買収額は7500万ドルから1億ドルの範囲で調整されており、最終的な価格は精査期間を経て確定する見通しだ。
交渉は数カ月にわたり進められてきた。未来アセット証券は買収の一環として、Korbitの財務状況や規制準拠体制に関する詳細な調査を実施している段階にある。取引所の運営ライセンスや既存顧客基盤の評価が、最終的な買収価格の決定要因となる。
SponsoredKrakenは2022年にKorbitを買収したが、韓国市場での事業展開に苦戦していた。同社は今回の売却により、より戦略的な市場への資源集中を図る方針だ。
伝統的金融機関の暗号資産事業参入が加速
未来アセット証券による買収は、韓国における金融機関の暗号資産市場への関心の高まりを示している。同社は資産運用、証券仲介、投資銀行業務を展開する総合金融グループで、運用資産は7000億ドルを超える。今回の買収により、デジタル資産分野での事業領域を拡大し、若年層顧客の獲得を狙う。
韓国では暗号資産に対する規制環境が整備されつつあり、伝統的金融機関による市場参入の障壁が低下している。金融当局は取引所に対して厳格な資本要件とコンプライアンス体制を求めており、既存事業者の買収は新規参入よりも効率的な選択肢となっている。
未来アセット証券はこれまでブロックチェーン技術への投資や暗号資産関連の調査研究を進めてきたが、取引所の直接運営は初めての試みだ。同社幹部は暗号資産事業を「次世代金融サービスの重要な柱」と位置づけている。
韓国暗号資産市場の再編が進む
Korbitは韓国内で4番目の規模を持つ取引所で、月間取引高は数億ドルに達する。しかし、UpbitやBithumbといった大手プラットフォームとの競争が激化しており、市場シェアの拡大に苦戦していた。未来アセット証券の資本力とブランド力により、取引所の競争力強化が期待される。
韓国の暗号資産市場は2025年も成長を続けており、個人投資家の参加が活発だ。特に20代から40代の投資家層において、暗号資産は株式や不動産に次ぐ主要な投資対象として定着している。市場規模は数兆円に達し、アジア太平洋地域でも有数の取引量を誇る。
今回の買収が成立すれば、2025年上半期中にも取引が完了する見込みだ。未来アセット証券は買収後、Korbitのサービス拡充や新規プロダクトの開発に注力する方針を示している。業界関係者は、この動きが韓国における金融機関の暗号資産事業参入の先行事例となり、市場の更なる発展を促すと予測している。