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MSTR株、指数見直しで押し目買い―下落リスクは払拭されたか

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Shigeki Mori

09日 1月 2026年 07:13 JST
  • MSCIによる猶予を受けて押し目買いが戻ったが、依然として慎重かつ選別的な姿勢が続いている。
  • ビットコインとの相関が弱く、CMFの流出が続くため、モメンタムが改善しても上値は限定的である。
  • 大規模な資金流入が戻らなければ、MSTRは短期的な安定にもかかわらず13%下落リスクがある。
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ビットコインを大量保有する米マイクロストラテジー(MSTR)の株価が年初から持ち直している。MSCI指数からの除外懸念が後退したことを受け、株価は1月初旬以降で約13%上昇した。将来的なS&P500指数への組み入れ期待も投資家心理を下支えしている。

もっとも、需給面を詳しく見ると楽観一色とは言い切れない。個人投資家を中心とした押し目買いの動きが戻る一方で、機関投資家による資金流出はなお続いている。指数見直しを契機とした短期的な反発が持続的な上昇につながるのか、それともビットコイン価格変動に連動する構造的な下落リスクを依然として抱えるのか。市場は微妙な均衡点に立たされている。

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MSCIの猶予で押し目買い再開も慎重姿勢続く

マイクロストラテジーの反発は1月初旬から始まり、MSCIステータスに関する懸念が和らぐ中で継続した。

1月2日以降、株価は安定して上昇が続き、猶予が設けられたことと、マイケル・セイラー取締役会長による長期的なS&P指数組み入れへの楽観論が新たな自信の表れとなっている。

その自信はモメンタムデータにも表れている。買い手と売り手のどちらが取引を支配するかを示すマネー・フロー・インデックス(MFI)は、下降トレンドラインを上抜けた。これは数週間の様子見を経て、押し目買いが戻ったことを示す。投資家は高値追いではなく、下落時に買いを入れている。

ただ、その買いの勢いは依然として限定的である。MFIはまだ56.36の水準を上回っておらず、本格的な買い意欲の回復とはいえない。

Dip Buying Exists
押し目買いの存在 出典: TradingView

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こうしたためらいには重要な要因がある。MSTRのビットコインとの相関は0.21程度と依然として低い。このため、ビットコイン価格が上昇したとしても、同社の運命が大きく変わる保証にはならない。

Weak BTC Correlation
ビットコインとの相関の弱さ 出典:Portfolio Slab

こうしたバランスの崩れにより、買い手は慎重な動きが目立つ。押し目買いは存在するが、様子を見ながらの買いにとどまる。これが短期的な安定要因にはなっても、強い上昇には至っていない。

CMF低迷が続く中で資金流入は異なる動き

MFIによる押し目買いの回復が見られる一方で、資金フローはより深刻な面を映し出す。大口資金の流入・流出を示すチャイキン・マネー・フロー(CMF)は、株価が1月2日以降で13%戻したにもかかわらず、下落トレンドを続けている。

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Weak Capital Flows
資金流入の弱さ 出典:TradingView

この乖離は重要だ。CMFが下向きで株価上昇が続く場合、蓄積ではなく分配(資金引き揚げ)が起きていることが多い。つまり、小口投資家が参入していても、大口資金は依然としてリスク回避を続けている。

こうした動きは、10月初旬以降にMSTR株が本格的な下落トレンドに入って以降の流れと一致する。資金流出は(数回の急増を除き)一貫して続き、機関投資家が慎重な姿勢を崩していないことがうかがえる。

CMFの弱さはドローダウンリスクも示す。過去半年間でMSTRは約66%下落し、ビットコインの27%減を大きく上回る。大口資金がマイクロストラテジー株から流出し続ける要因は、確信の薄さにもあるだろう。

MSTR Drawdown Risk
MSTRドローダウンリスク 出典: Portfolio Slab

こうしたリスクが複合的に重なる。押し目買いは存在するが、積極性には欠ける。MSTRとビットコインの相関が弱いため、ビットコインの上昇が必ずしも追い風とはならない。一方でCMFの資金流出は、大口資金が依然として撤退している状況を示す。ビットコインのわずかな調整がMSTRの大幅な下落につながるとの警戒感が根底にある。

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ダブルパンチの構図だ。押し目買いだけでは反発を維持しきれず、資金が戻らなければ再び失速や反落のリスクが強まる。

MSTR株価水準が押し目買い戦略を試す局面

MSTRの値動きは、これらのシグナルを総合的に映し出す。反発を強めるには、まず184ドル、次いで198ドルを明確に回復する必要がある。198ドルをしっかり上抜ければ、押し目買い勢力が主導権を握り、さらなる戻り高値への道が開ける。

現状では、下落リスクが依然として存在する。162ドルの水準はすでに圧力を受けている。売りが再開した場合、MSTRの価格は139ドル付近まで下落し、現在値から約13%の下げとなる可能性。

MSTR Price Analysis
MSTR価格分析 出典:TradingView

このため、今の局面で押し目買いは安全な戦略とは言い難い。モメンタム志向の買い手は存在するが、資金流入の裏付けは見られない。CMFが弱いままでまとまった資金の動きが慎重なうちは、上昇には常に抵抗が伴う。

マイクロストラテジーの長期的なストーリーはビットコインとバランスシートのレバレッジに結びつく。しかし短期的には、押し目買いの改善と資金流出の継続という二つの力に挟まれている。これらの要因が一致するまで、MSTR株の反発は再度の下げに脆弱なまま。

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