NVIDIA(NVDA)の株価は約175ドルで推移し、過去1か月で約9%下落。前回175ドルを回復できず、今週は横ばいで取引を開始した。2025年10月下旬以降、NVDAは下落チャネル内で推移しており、直近の上抜けトライも失敗に終わった。
マクロ環境も追い風になっていない。イラン情勢を受け、原油価格は100ドルを突破し、インフレ期待を煽って債券利回りを高止まりさせている。利回り上昇は成長株のバリュエーションを圧縮し、NVDAもAI分野での優位性にも関わらず、この影響を受けている。
2つの主要指標が弱まる下落チャネル
日足チャートを見ると、NVDAは10月下旬の212ドル付近から下落チャネル内で取引されている。これ以降、上昇を試みてもチャネル上限で毎回はね返されている。
3月上旬から中旬にかけて、NVDAは約8%上昇し、チャイキン・マネー・フロー(CMF:大口資金の流れの指標)も一時プラス圏に転じた。しかしその後CMFは再び低下し、機関投資家の資金流出が再開していることを示している。
弱含みが続く中で、CMFのダイバージェンスによってNVDAの株価は完全な崩壊を回避している。11月6日から3月20日にかけて、株価はチャネル内で下落基調を維持したが、CMFはより高い安値を形成している。
これは、資金流入がマイナスでも、下落のたびに売り圧力が弱まってきたことを示唆する。CMFの重要な下値水準は-0.23。この水準が11月下旬以降一度しか下回っておらず、その際は大幅な調整となった。
再び-0.23を割り込むと、チャネル下の最後の構造的サポートが消失する。
指数平滑移動平均線(EMA)群は、直近の価格データを重視してトレンドを示す指標だが、リスクが積み重なっている。3月19日頃、20日EMAが100日EMAを下抜け、弱気なデッドクロスが形成された。
このデッドクロスが3月18日頃から進み始めて以降、NVDAは6%以上調整。現在は主要な3本すべてのEMAを下回り、200日EMA(173ドル)が最後のサポートとなっている。
第2のクロスオーバーも進行中。50日EMAが100日EMAに接近しており、クロスすればさらなる弱気モメンタムが強まり、下落チャネル下限のサポートが意識される。
CMFのダイバージェンスが下落チャネルをつなぐ糸である一方、EMAのクロスオーバーはそれを断ち切るハサミの存在。
オプション取引で新たな弱気ポジション構築
オプション市場も、テクニカルの悪化を裏付けている。
2月25日の決算発表時、NVDAは195ドルで引け、1株利益1.62ドルを発表。この時点のプット・コール売買高比率は0.55、未決済建玉比率は0.83だった。どちらも適度な自信と管理可能なヘッジを反映し、コールの取引はプットのほぼ2倍で、強気なサインといえる。
トークンのテクニカル分析と市場の最新情報:さらに詳細なインサイトをご希望の場合は、編集者ハルシュ・ノタリヤが毎日お届けするニュースレターにご登録ください。
約1か月後、株価175ドルの時点で状況は大きく変わった。売買高比率は0.72に上昇し、約31%の増加。未決済建玉比率も0.88まで上昇。売買高比率の上昇は日々のコールに対しプットの割合が大幅に増加したことを表す。ただし、未決済建玉比率が0.83から0.88に上昇したことこそ重要なシグナル。弱気ポジションが単に取引されるだけでなく、保有が維持されている。トレーダーが新たな下落ポジションを構築し、それを保ち続けている状態。
これはCMFとEMAの弱さと一致。機関投資家の流入は減少し、移動平均線の構造も悪化。オプション市場のトレーダーも同じく独立して弱気な結論に至っている。
エヌビディア株価 注目の水準
チャネルのレンジを基にしたテクニカルレベルでは、176ドルが主要なレジスタンスになっている。直近の取引でNVDAはこの水準を回復できなかった。176ドルの上には、181ドルと187ドルがレジスタンスゾーン。197ドル(決算後のスイングハイ)を上抜ける場合、下降チャネルが否定され、バイアスが弱気から中立に転じる。
下値では、171ドルが重要な水準。この価格は0.618フィボナッチと一致し、2月5日につけた主要なスイング安値でもある。もし171ドルを日足終値で割り込むと、169ドル(直近安値)が一時的なサポートとなる可能性があるが、ターゲットは163ドルと154ドルまで広がる。154ドルを下回る動きが出れば、NVIDIA株価がパターンブレイクダウンの条件を満たす。
現在、171ドルが下降チャネルを維持する水準と、CMFのダイバージェンス・EMAクロスオーバー・オプション市場が静かに形成する下方ブレイクとの分岐点になっている。