元ニューヨーク市長エリック・アダムズ氏のNYCミームコインが急落し、時価総額が1億ドルを下回ったことで、暗号資産コミュニティから厳しい批判を浴びている。下落率は80%超。
アダムズ氏およびプロジェクト運営チームは不正行為を否定しているが、流動性に不審な動きが見られたため、一部アナリストはこのトークンを「ラグプル」の可能性があると指摘。BeInCryptoの独占インタビューで、NansenリサーチアナリストがNYCトークンが「ラグプル」と見なされる4つの理由を示した。
SponsoredNYCトークン急落で約60%の投資家が損失
今週初め、BeInCryptoが報じたように、アダムズ氏はタイムズスクエアでトークンを公開。ローンチ直後に急騰したが、ブームは長続きしなかった。
「元NYC市長がラグプルを実行。コインは直後に時価総額5億ドルへ。その後アダムズ氏が流動性を引き揚げ、80%の暴落が発生。トークンは1億ドルを下回った」Ash Cryptoが投稿。
ブロックチェーンアナリストが不審な流動性行動を特定。Rune Cryptoはアダムズ氏が流動性プールから340万ドルを引き出したと主張した。Bubblemapsも疑わしい流動性を指摘。
Bubblemapsは別の投稿でNYCトークン絡みの被害状況を強調。約4300人のトレーダーがNYCトークンを取引し、およそ6割が損失を出した。
- 2300人のトレーダーが1000ドル未満の損失
- 200人が1000ドル~1万ドルの損失
- 40人が1万ドル~10万ドルの損失
- 15人が10万ドル超の損失
NYCトークンはラグプルか
Nansenリサーチアナリストのニコライ・ソンダーガード氏は、NYCトークンが他のラグプルと分類される理由について「流動性の抜き取り方に問題があった」と説明。4つの主要な理由を挙げた。
- チームは事前に流動性「リバランス」の告知をしなかった
- 大量の流動性が短時間で一気に抜かれた
- 引き出した流動性が全額戻されなかった
- トークンが高値圏に到達した後のみ流動性が抜かれた
Sponsored Sponsored「正当な動きなら、少しずつの調整や前もって変更の予告があるはず。そうすれば、トークンに悪影響は及ばなかったと思う」ソンダーガード氏の見解。
同氏は、流動性を部分的でも抜くと単一の売り注文の影響が大きくなると説明。通常流動性なら価格に影響しない注文でも、市場を急変させやすくなり、パニックや連鎖的な売りが発生しやすく、リミット注文を入れたトレーダーもポジションを失うと述べた。
「今回のやり方では、トレーダーを閉じ込めて流動性が低い中で損切りを余儀なくさせた。流動性を追加しても被害は元に戻らない。DCA注文を入れても根本的な解決にはならず、応急処置に過ぎない」アナリストのコメント。
ソンダーガード氏は、市場の健全性を守るには流動性に関する明確な情報開示が不可欠と強調。流動性が事前告知なしに消えてしまう状況では、トレーダーは正確なリスク評価ができないと指摘した。
同氏は、今回のような事案は業界全体の信頼を損ねると指摘。透明性と分析による監視の強化が、信頼できるプロジェクトと悪意あるプロジェクトの判別につながると述べた。また、
Sponsored「ミームコインを取引する場合は常に慎重になるべき。保有者分布や買いと売りのボリュームの偏り、片側だけの流動性(例:トークンのみでUSDCが追加されていないなど)をよく確認する価値がある」
アダムス氏、ラグプル疑惑を否定
こうした批判を受けて、アダムズ元市長の広報担当トッド・シャピロ氏が声明を発表し、疑惑を否定。アダムズ氏が投資家の資金を動かしたり、トークン発売で利益を得たという報道は事実無根で根拠がないと主張した。
広報担当者は、NYCトークンが新規上場デジタル資産によくある価格変動を経験しただけだと指摘。加えて、アダムズ氏が透明性、説明責任、責任あるイノベーションに尽力していると重ねて強調した。
なお、NYCトークン運営は流動性の動きについて、ローンチ時の高い需要に対応するためのリバランスだったと説明している。