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NY証券取引所のトークン証券戦略、市場再編へ

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編集:
Shigeki Mori

20日 1月 2026年 09:07 JST
  • ニューヨーク証券取引所は、株式の規制を維持したまま、トークン化証券や24時間365日の取引を検討している。
  • 連続取引は価格反応を緩和し、夜間の市場ショックを抑制できる可能性がある。
  • 今回の措置は、投機や暗号資産取引ではなく、市場インフラを対象とする。
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ニューヨーク証券取引所が、ここ数十年で米国株式市場インフラにおいて最も重大な変革の一つとなる可能性のある準備を進めている。同取引所は、トークン化証券の取り扱いと24時間365日の連続取引の導入計画を発表した。これは、株式取引や決済、情報吸収のあり方を現代化し、グローバルな金融システムに適応させる試み。

この変革が成功すれば、米国市場全体で価格決定、決済リスク、流動性の動き、投資家心理などに大きな影響を与える可能性がある。

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NYSEの実際の提案内容

NYSEの計画は、株式やETFを含む従来型証券のトークン化バージョンをサポートする、ブロックチェーン基盤のプラットフォーム構築に軸足を置く。こうしたトークン化証券は、実際の法的に認められた株式を1対1で裏付け資産として持ち、既存の米国証券法の規制下で管理される。

トークン化株式も依然として公開企業の所有権を示し、従来の株式と同じ経済的権利や議決権を有する。異なるのは所有権の記録方法と、取引の決済方法だ。

とりわけ重要なのは、NYSEが既存市場を一夜で置き換えるのではないという点。トークン化証券は従来株式と並行して運用され、時間の経過とともに両形式の互換性が保たれる設計。

つまり、これは並列システムであり、強制的な移行ではない。

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現行の株式市場制度に老朽化の兆し

数十年にわたる技術進化にもかかわらず、米国株式市場はいまだにデジタル前時代の多層構造に依存している。取引、清算、決済、保管はそれぞれ独立した組織が担い、各社が独自に台帳を管理する状態だ。

この構造には複数の課題がある。決済期間中、資本が拘束される。取引完全成立までカウンターパーティリスクが残る。仲介業者間での整合作業がコスト増や業務リスクを招く。

最も大きな問題は、情報が絶え間なく世界を巡る現代においても、依然として市場が固定された取引時間に縛られている点にある。

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こうした摩擦は個人投資家には見えづらいが、ボラティリティや流動性、市場行動に日々影響している。

トークン化がインフラ構造を根本から変革

トークン化はこうした非効率性を直接解消する。共有されるデジタル台帳上で証券を表現することで、所有記録と決済がほぼリアルタイムで完了する。取引と決済は、従来のように別々のプロセスとしてつなぎ合わせる必要がなくなる。

これにより、配達と支払いをアトミックに実行でき、決済リスクを低減する。また、証拠金や現金が決済待ちで拘束されることがなくなり、資本効率も向上する。

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機関投資家にとってはバランスシート上の影響も出てくる。市場全体にとっては、複雑化したポストトレード業務を簡素化できる。

重要なのは、トークン化によって株式そのものが変わるのではなく、所有権処理の仕組みが変わるという点である。

連続稼働型のトークン化市場は、市場の仕組み自体をも変える。取引は週末や夜間にも途切れない。価格発見は区切られた時間に限定されず、常時行われる。

こうした変化には重要な意味がある。現在は、決算や地政学リスク、マクロ経済指標などが取引時間外に発表された場合、価格調整が遅延し、その反動が翌営業日寄り付きに凝縮されがちだ。

全体として、連続取引は情報伝播に合わせて価格が段階的に調整されるため、不自然な急変動を減らす効果がある。

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