パイコイン(PI)は過去1年で約60%、直近1週間でも約5%下落した。通常は日々値を下げ、しばしば最安値を更新するが、この日は様相が異なった。
PIトークンは横ばい推移を見せ、0.36ドル付近を維持。通常は下落基調が続く中で、価格が動かないのは異例だ。短期的な上昇クロスオーバーが下落を食い止めた格好だが、より深いトレンドに注目が集まっている。
1時間クロスオーバーが短期的な安心感に
1時間足チャートでは、PIが上昇クロスオーバーを示した。20EMA(指数移動平均)が50EMAを上回り、価格は0.37ドル付近まで上昇。その後も水準を維持した。

EMAは直近の値動きを重視して価格を追う指標で、短期EMAが長期EMAを上抜けるクロスオーバーは買いシグナルと解釈される。
この動きは過去にもあった。8月20日にもクロスオーバーが発生し、PIは0.35ドルから0.37ドルまで反発したが、上昇は短命に終わり再び下落した。短期クロスは一時的な支えにはなるが、大きなトレンドを変える力は乏しいことを示している。
したがって、今回の動きは有益だが限定的であり、より確度を高めるには長期的なトレンドの検証が必要だ。
トークンのテクニカル分析や市場動向については、編集者ハルシュ・ノタリヤのニュースレターで詳しく解説している。詳細はこちらから。
長期チャートに現れた強気のダイバージェンス
12時間足のチャート分析では、より深いトレンドが浮かぶ。PIは8月20日に0.3739ドル、22日に0.3712ドルで高値をつけたが、いずれも切り下がっている。

一方でRSIは高値を更新。これは「上昇ダイバージェンス」と呼ばれ、売り圧力が続く中でも買い手が着実に勢いを増していることを示唆する。
パイコインにとっては異例の展開だ。今年は安値更新が続いたが、長めの時間軸でのダイバージェンスは、買い手が下支えを始めている可能性を示している。前述の1時間足クロスが今後より重要になる可能性もある。
RSI(相対力指数)は0〜100の範囲でモメンタムを測る指標で、価格が切り下がる一方でRSIが切り上がる場合、買い手の地合い強化を示すとされる。
注目すべき水準
強気シナリオを維持するには、12時間足で0.37ドル、次に0.38ドルを突破する必要がある。0.40ドルを上抜ければ、短期クロス以上の明確な強気サインとなる。

チャートパターンも強気寄りだ。8月20日以降、ベア勢力は弱まっている。売り圧力は21〜22日にかけて低下し、加えてOKXでのPI/USDCペア取引開始が投資家心理を改善させた。
一方で、価格が0.33ドルを割り込めばシナリオは崩れ、新安値更新の可能性が高まる。過去にも繰り返された展開であり、引き続き警戒が必要だ。
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