パイコイン価格は強い下落圧力にさらされており、売りもまだ収束していない。直近24時間で5.6%、過去7日間で11.5%下落。本格的な調整局面が始まった11月下旬以降の累計下落率は約32%となり、現状の市場で最もパフォーマンスが悪い銘柄のひとつに位置づけられる。
価格が下げ続ける中で、重要な問いが浮上している。パイコインの個人投資家は、「落ちるナイフ」をつかもうとしているのか。
Sponsoredチャートが下落加速と弱気優勢を示す
「落ちるナイフ」とは、明確な下げ止まりの兆候がないまま安値を更新し続けるマーケットを指す。パイコインはこの2週間で32%下落しており、日足チャートではまさにこの定義に該当する。
パイコインの価格は、全ての主要な指数平滑移動平均線(EMA)の下で取引されている。EMAは価格モメンタムの位置を示すトレンド指標である。価格がこれらの下にとどまる限り、トレンドは弱気であり「落ちるナイフ」パターンが継続する可能性が高い。パイコインのチャートでは、反発を試みても全てこれらの水準以下で否定されている。現時点では、20日EMAを最初に上抜けなければ、反発への足掛かりは得られない。
Bull Bear Power(BBP)指標も、この見方を裏付ける。BBPは、買い手または売り手のどちらがモメンタムを支配しているかを測定する。12月1日以降、BBPは深いマイナス圏で推移し続け、その傾向はさらに拡大している。これは売り手(ベア)が依然として優位な状況であり、買い手からの持続的な反発は見られないことを示唆している。
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Sponsored SponsoredパイコインがEMAを上回らず、かつBBPがマイナスのままである限り、市場構造は「押し目」ではなく「落ちるナイフ」そのものである。
短期買い勢が参入も大口資金は売却継続
12時間足チャートに視点を移すと、異なるダイナミクスが見えてくる。12月11日から15日にかけてパイコイン価格は安値を更新し続ける一方、Money Flow Index(MFI)は高値を切り上げている。
MFIは、価格と出来高の両方を用いて買い圧力と売り圧力を測定する。価格が下げる中でMFIが上昇する現象は、一般的に押し目買い示唆となる。今回の場合、個人投資家や短期トレーダーが参入している可能性を示している。
しかし、より大きな資金の動向は異なる。Chaikin Money Flow(CMF)指標は、大口資本の資金流入・流出を測定するが、依然としてゼロラインより下で推移している。CMFがマイナスの場合は、資産全体として資金が流出し続けている状態を示す。
CMFはわずかな乖離を示したものの、依然プラス圏は回復していない。これは大口保有者が慎重姿勢を崩さず、調整局面が強まるなかでパイコインを売却したことを意味する。要するに、個人の買いは見えているが、資金全体のフローはマイナスである。
このようなミスマッチは落ちるナイフ局面でよく見られる。個人投資家は往々にして安値圏に突入した銘柄を拾おうとする傾向がある。
SponsoredPiコインの重要な価格水準
パイコインの価格は現在、重要な水準に接近している。0.187ドルが直近のサポートであり、この下抜けはパイコインのさらなる下落を招く。
0.174ドル(CoinGeckoによる現時点の過去最安値)を明確に割り込めば、下落圧力が一段と強まる可能性が高い。トレンドベースのフィボナッチエクステンションに基づけば、次の下値ターゲットは0.130ドル付近に位置し、新たな過去最安値更新となる。
意味のある反発が生まれるには、パイコインが0.213ドルを回復する必要がある。12時間足でこの水準を明確に上抜ければ、弱気圧力が和らぎ「落ちるナイフ」からの反転が視野に入る。それまでは反発も脆弱な状況が続く。