パイネットワークのパフォーマンスは、広範なブル相場の中でも期待を裏切っている。多くの暗号資産が過去最高値を更新する一方、パイコイン（PI）は今月初めに最安値を記録し、投資家の信頼低下を如実に示した。野心的なコミュニティ主導型モデルと6,000万人超のユーザーベースを有するが、複数の指標はネットワークへの関心低下を示しており、長期的な持続性に懸念が高まっている。
パイネットワークの危機：注目すべき3つの兆候
まず、中央集権型取引所におけるパイコイン供給量が急増している。PiScanのデータによれば、8月第2週時点で4億900万超のパイコインが取引所に保管され、過去最高水準に達した。
この流入は、保有者が流動性確保や損失回避のために売却している可能性を示唆する。こうした取引所保有量の急増は、売り圧力増加の前触れとなることが多い。
さらに、パイコインの日次トークンロック解除が下押し要因となっている。今後30日間で1億6,650万トークンが市場に供給される見込みだ。
こうした供給増は既に下落傾向にある価格をさらに圧迫する可能性がある。CoinGeckoによれば、パイコインは過去60日間で36.4%下落し、主要暗号資産の中で最大の下落率を記録している。
次に、小売投資家の関心低下が見られる。Googleトレンドで「パイネットワーク」と「アルトコイン」の検索関心を比較すると、前者は大幅に劣後している。これはかつての注目度とは対照的だ。
これは、モバイルマイニングモデルとオープンネットワーク立ち上げ時の熱狂が沈静化し、アルトコインシーズンの中で競合通貨に注目が集まっていることを示す。
三つ目に、パイネットワークの市場挙動は広範な暗号資産の上昇基調と逆行している。DeFiLlamaによれば、ビットコインやイーサリアム、ソラナが高い正の相関を保つ中、パイネットワークは負の相関を示しており、市場全体の楽観ムードから乖離している。
加えて、パイコインのグローバルコンセンサスバリュー（GCV）を巡る論争も続く。ミスタースポックの名で知られる著名パイオニアは、未検証のGCV評価が価格下落時の行動を阻害していると指摘している。
GCV支持者は5パイしか保有していないのに裕福だと考え、0.40ドルでも買わない。KYC後も取引所のパイは本物ではないと言い続けている
これらの要因は総じてPIに弱気シナリオをもたらしている。現状、投資家心理を回復させる抜本的な転換策がない限り、パイネットワークは厳しい局面が続く可能性が高い。
