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イラン体制に動揺、ハメネイ師退陣確率56%=予測市場

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著者:
Oihyun Kim

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編集:
Shigeki Mori

09日 1月 2026年 13:45 JST
  • 米国によるマドゥロ氏身柄確保がイランに波紋を広げ、ポリマーケットで年内のハメネイ師退任確率が56%に急上昇した。
  • イランの通貨急落を巡る抗議活動が88都市に拡大し、少なくとも34人が死亡、2,000人が拘束された。
  • イランは代理軍やミサイルを有するが、体制転換の可能性はかつてのマドゥロ氏下のベネズエラ同様に低いとみられる。
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米軍がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した先週末の動きは、中東にも波紋を広げた。テヘランでは、強権体制の象徴とされるイラン最高指導部が、同様の事態に直面する現実的なリスクを改めて意識させられている。

こうした政局不安を映す鏡となっているのが、暗号資産を用いた予測市場だ。分散型プラットフォーム上では、最高指導者の退陣に関する賭けが活発化し、確率は56%に達した。市場参加者の思惑は、軍事・外交の緊張が体制の安定性を揺さぶりかねないとの見方に傾きつつある。

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トレーダーが政権リスクを織り込む

Polymarketのトレーダーはリスクを織り込みつつある。アリ・ハメネイ師が年末までに最高指導者から解任される確率は一時56%に達し、ここ数日で21ポイント急上昇した。イランの最高指導者であるハメネイ師は85歳。国内の騒乱と対外圧力の高まりによって、同師が存続できない可能性があるとの市場の見方が強まっている。

ベネズエラとイランは反米姿勢で結びついた緊密な同盟国である。テヘランは制裁回避策としてカラカスにタンカーを派遣し、両国は20年にわたる協力協定も締結した。米軍に寝室から連行されるマドゥロ大統領の姿を目の当たりにし、テヘランが長年警告してきた米国の体制転覆工作が現実味を増した格好となった。

出典: Polymarket

抗議デモが全土に拡大

イラン通貨の急落による抗議運動は商人の枠を超え、全土に広がっている。米国拠点の人権活動家通信(HRANA)によると、現在、イラン31州中27州の88都市でデモが続く。少なくとも34人が死亡、2000人以上が拘束されたが、これらの数字は独立した検証ができていない。

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ハメネイ師は一部の抗議者を「暴徒」や「傭兵」、あるいは外部勢力の工作員と呼び、治安当局は準軍組織を動員し、負傷者を拘束するために病院への強制捜査まで行っていると報じられている。

トランプ氏の脅し強まる

トランプ米大統領はこの1週間以内に、イランに対して2度警告を発した。大統領専用機内では「抗議者の殺害は米国の強力な報復を招く」と警告。ラジオ番組では「イランはそのような暴力に対して地獄を見ることになる」とも述べた。

また、追放された元国王の息子レザ・パフラヴィ氏との面会は「現時点では適切でない」として断った。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によるイラン抗議者への公開支援も、テヘランの包囲網意識を強めているとみられる。

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予測市場が示す動向

Polymarketの段階的なオッズが、イランの行方に関するトレーダーの考え方を示している。1月末締めの市場は22%(取引高430万ドル)、3月は35%(190万ドル)、6月は42%(180万ドル)、12月末は56%(50万4000ドル)。この推移からは、即時の体制崩壊よりも長期的な不安定化を見込む見方が読み取れる。

期限確率取引高
2026年1月31日22%430万ドル
2026年3月31日35%190万ドル
2026年6月30日42%180万ドル
2026年12月31日56%50万4000ドル

関連記事市場では、マスード・ペゼシュキアン大統領が年末までに解任される確率は51%、一方で「何も起きない」に賭ける声も62%を占め、圧力が本当に体制転覆につながるかを巡る不透明感が根強い。

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イランとベネズエラの違い

類似点があるものの、イランの状況は本質的に異なる。イラン革命防衛隊は、レバノン・シリア・イラク・イエメン・ガザにかけて代理ネットワークを構築し、攻撃抑止と幅広い影響力行使を狙ってきた。ドローンとミサイルによる戦力も地域紛争で効果を示した。

モハンマド・バゲル・ガリーバーフ議長は、米国が行動を起こせば「米国のあらゆる地域資産が正当な標的となる」と警告した。昨夏のイスラエル軍による攻撃は脆弱性も露呈したが、国内では与野党を超えた珍しい結束が生まれ、イラン国民は外部からの攻撃を一斉に非難した。

ハメネイ師はSNSで「アメリカと交渉すべきと考えてきた国民は、今や真実を知った。イランは交渉しながら、ワシントンは戦争準備を進めていた」と投稿した。予測市場の56%という確率は、最高指導者の生存をほぼ「コイントス」と見る見方だ。

45年にわたり米国の敵意に耐えてきた体制にとって、この確率は許容可能に映るかもしれない。ただし、米軍がマドゥロ氏の元に現れるまでは、同氏も自身の安全に楽観していたはずである。

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