戻る

イランでの戦争長期化に賭ける予測市場

Googleで私たちを選んでください
sameAuthor avatar

執筆&編集:
Oihyun Kim

19日 3月 2026年 10:37 JST
  • Polymarketは米国とイランの停戦が3月31日までに成立する確率を7%と見積もる。一方、Good Judgmentは停戦が5月中旬以降も継続する確率を43%と予測する。
  • パウエル議長は政策金利を据え置き、中東の戦争による原油価格上昇を理由に、2026年のインフレ率見通しを2.7%に引き上げた。
  • FOMC後、ビットコインは約4%下落し$71,017となり、日経平均と韓国のKOSPIもそれぞれ3%近く下落した。
プロモーション

予測市場とプロの予測者は、米国とイランの戦争の停戦時期について、より長期化する見通しを示している。この変化は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、エネルギー価格をインフレの新たなリスク要因と警告したことを受けたもの。

戦争が長引けば長引くほど、インフレや金利見通し、ビットコインなどリスク資産への影響が深まる構図。

スポンサード
スポンサード

賭け手と予測者、早期終結には懐疑的

最大の暗号資産系予測市場であるPolymarketでは、米国-イラン停戦が3月31日までに成立する確率はわずか7%にとどまる。4月30日期限の契約も35%まで下落し、ピークから41ポイント低下。6月30日までの期限でも、確率は53%にすぎない。戦争が始まった2月28日以降の累計取引高は2130万ドル。

Polymarketの取引データグラフ
出典:Polymarket

Good JudgmentのSuperforecasters(米国情報機関の研究を基にした専門予測者ネットワーク)もこの傾向を裏付ける。最新予測では、5月15日以前に停戦が成立しない確率を43%と見積もる。この数字は1週間で10ポイント上昇。4月17日~5月14日までの期間も7ポイント増えて30%。一方で、3月26日より前に停戦がある確率は2%まで急落した。

手法の異なる2つの予測システムが同じ結論に収束している。ホワイトハウスが描く「4~6週間で終結」という見立ては、市場には共有されていない。

Good Judgmentによる停戦予測グラフ
出典:GoodJudgment

パウエル氏「誰にも分からない」

FRBは水曜日に政策金利を3.50~3.75%で据え置き、2026年のインフレ予想を2.4%から2.7%に引き上げた。パウエル議長は、原油価格の上昇が政策決定者の最新予測にも「確実に反映されている」と語った。コアPCEインフレ率は3.0%で、関税がそのうち0.5~0.75ポイントを占める。

パウエル議長は、戦争の経済的影響について繰り返し“不確実性”を強調。FOMC委員の中には、今回はむしろ予測発表を見送るべきだったとの声も上がった。議長は1970年代型スタグフレーションとは現状が異なると指摘し、「今ははるかに穏やか」と断じた。ただし、インフレリスクには利上げ、雇用市場の悪化には利下げと、FRBは難しい判断を迫られていると認めた。

エネルギーショックをFRBが「静観」するかどうかに関し、パウエル議長は慎重な立場を取る。インフレ期待がしっかり抑え込まれている場合に限り、従来の手法を維持できるとした。だが「目標超過が5年も続けば、その保証は弱まる」とも述べた。

市場の反応

ブレント原油は3月18日、1バレル108.78ドルまで急騰し、1年前から38ドル上昇。IEA(国際エネルギー機関)は、中東の混乱で世界の原油供給が3月に日量800万バレル減少したと報告。

ビットコインは約4%下落し7万1017ドルとなり、FOMC後の売りが続く形に。ナスダックも取引時間中の最安値で着地し、1.5%下落。米国2年債利回りは6ベーシスポイント上昇し3.73%に。2026年の利下げ観測も1回分に届かなかった。

木曜のアジア市場もその乖離を映した。日本の日経225は2.80%下落、韓国のKOSPIも2.95%安。いずれも原油輸入依存度が高く、高止まりが経済に打撃となる地域。

今後の見通し

次回FOMCはちょうど6週間後。パウエル議長は「この期間に多くのことが分かる」と述べる。暗号資産市場では、戦争長期化=原油高・インフレ長期化・利下げ減少という単純な構図。状況が反転するのは、停戦のシグナルが現れたとき。

イランのアッバス・アラーグチ外相は、3月15日付けでCBSに対し、「テヘランはこれまで一度も停戦を要求したことはない」と語った。この姿勢が変わらぬ限り、予測市場は投資家に“長期戦”への備えを促す。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード