SBIホールディングス(SBIHD)は23日、デジタル証券と資本業務提携契約を締結した。SBIHDが子会社を通じてデジタル証券の発行済株式の20%超を取得し、同社を持分法適用会社に組み入れる。傘下のSBI証券を通じた販売網とデジタル証券のプラットフォームを組み合わせ、国内セキュリティ・トークン市場の本格的な拡大を狙う。
SBI証券がデジタル証券の販売チャネルに
今回の資本業務提携で、SBIHDが主導する形で2つの具体的な協業が動き出す。第一が販売連携だ。デジタル証券の子会社・オーナーシップ株式会社が開発・運用するデジタル証券売買プラットフォーム「OwnerShip」上で組成された商品を、SBI証券とデジタル証券が委託販売などの方法で市場に供給する。国内最大級のオンライン証券であるSBI証券の顧客基盤を活用することで、デジタル証券の流通量と認知度の向上が見込まれる。
第二が共同開発だ。SBIHDとその関連会社がデジタル証券と共同で、航空機・船舶・鉄道・美術品などの動産、ファンド持分、知的財産権といったオルタナティブアセットを裏付けとする新たなデジタル証券の商品設計に取り組む。従来の不動産に偏りがちだった国内のセキュリティ・トークン市場に、多様な資産クラスを持ち込む狙いがある。
デジタル証券市場でのSBIグループの存在感が拡大
SBIHDは1999年設立の大手金融持株会社で、SBI証券・SBI新生銀行・住信SBIネット銀行など多数の金融事業者を傘下に持つ金融コングロマリット。同グループは近年、ブロックチェーン技術を活用した次世代金融サービスへの投資を積極的に進めており、今回の提携はその戦略の一環とみられる。
持分法適用関係となることで、両社間で経営情報の共有や資本効率の最適化が進む。デジタル証券は2020年11月の設立以来、関東財務局長登録の金融商品取引業者(登録番号:金商第3471号)として、日本STO協会に加盟しながら国内のセキュリティ・トークン市場の整備を牽引してきた会社だ。資本金9億円のスタートアップにとって、SBIグループという強固な後ろ盾は事業拡大の加速要因となり得る。
個人投資家へのオルタナティブ資産開放に期待
SBIHDが今回の提携で視野に入れるのは、デジタル証券市場そのものの底上げだ。航空機や知的財産権のように、従来は機関投資家向けが主流だったオルタナティブアセットをデジタル証券化し、個人投資家への裾野を広げることで新たな資産運用の選択肢を創出する。
日本経済新聞が2025年11月に報じたように、大手証券や信託銀行が株式の少額・24時間取引を可能にするデジタル証券の導入を検討するなど、国内市場では制度整備と実用化が同時並行で進む。SBIHDが持分法適用会社として関与を深めたデジタル証券が、国内唯一の「デジタル証券マーケットプレイス」を構築できるかどうかが、今後の焦点となる。