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SBI VCトレードとサッポロビール、NFT活用で顧客体験刷新へ実証実験

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執筆&編集:
Shigeki Mori

06日 12月 2025年 09:51 JST
Trusted-確かな情報源
  • SBI VCトレードとサッポロビールが5日からNFT活用の実証実験を開始、参加者に記念NFTを配布し銀座の店舗で特別体験を提供
  • NFTは外部出庫や二次販売を禁止し投機的利用を避ける設計、ブランド体験の提供手段として位置づけ
  • 飲食業界でNFT活用事例が増加、デジタルとリアルを融合した顧客体験創出の可能性を検証する取り組みとして注目
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暗号資産取引所国内大手SBI VCトレードは5日、サッポロビールと連携し、非代替性トークン(NFT)を活用した「ブランド体験の拡張」に向けた実証実験を開始した。

東京・銀座のフラグシップビヤバー「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」のリニューアルを記念したキャンペーンを通じて、Web3技術が消費者の購買体験をどのように変革できるか検証する。企業のマーケティング活動におけるNFT活用の可能性を探る取り組みとして注目される。

店舗体験とデジタル技術を融合

実証実験では、参加者全員に記念NFTを配布する。このNFTを2026年1月31日までに同店舗で提示して生ビールを注文すると、非売品のオリジナルコースター1枚と、3種類の異なる飲み口で味わいが変化する「ザ・パーフェクト3WAYグラス」での提供を受けられる。1つのNFTで同伴者1名まで、期間中は毎日1回利用可能だ。

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東京・銀座のフラグシップビヤバー「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」

キャンペーンの対象期間は5日から25日まで。参加には20歳以上でSBI Web3ウォレットを開設し、キャンペーンにエントリーする必要がある。同ウォレットはSBI VCトレードの口座開設時に同時取得できる。店舗での特別体験は8日から翌年1月末まで利用できる。

飲食業界でNFT活用広がる

今回配布されるNFTはSBI Web3ウォレット内での保有に限定され、外部への出庫や二次販売は不可とした。これは投機的な取引を避け、あくまでブランド体験の提供手段として活用する方針を示している。

国内では飲食・酒類業界でのNFT活用が続いている。TISは2025年、山形県の米鶴酒造とともに日本酒×NFTの実証実験を展開。購入者にNFTを配布し、酒蔵での特別体験を提供した。山形県のオードヴィ庄内は同年、日本酒を資産化するマーケットプレイス「Sake World NFT」で独自商品を販売している。

SBI VCトレードは今回、NFTの発行・管理を含む技術面でサッポロビールを支援する。SBIグループは暗号資産交換業に加え、第一種金融商品取引業、電子決済手段等取引業の登録を持ち、ステーブルコインUSDCの国内取り扱いも開始している。

Web3技術の企業活用に課題も

一方で、企業によるNFT活用には課題も残る。消費者の認知度向上や、ウォレット開設などの参加障壁の低減が求められる。また、NFTの二次流通市場での投機的取引を懸念する声もあり、今回のように利用目的を限定する事例も増えている。

今回の実証実験では、NFT保有者の来店率や利用頻度、顧客満足度などのデータを収集・分析するとみられる。その結果は、今後の飲食業界におけるWeb3技術活用のモデルケースとなる可能性がある。

デジタル庁は2024年6月にWeb3ホワイトペーパーを公表して以来、NFTを含むWeb3技術の社会実装を推進する方針を示してきた。企業と消費者の新たな関係構築に向けて、同実証実験の成果が注目される。

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