暗号資産交換業大手SBI VCトレードは11日、トンコイン(TON)とスイ(SU)の販売所取引を開始した。両銘柄はステーキングサービスの対象にもなり、同社の取扱暗号資産は38銘柄、ステーキング対象は16銘柄に拡大する。同社によると、ステーキング対象銘柄数は国内交換業者で最多となる。新規取扱を記念して、購入人数を競うキャンペーンと予想チャレンジを3月24日まで実施する。
Telegram関連のTONとMeta系のSUI
トンコインは、メッセージアプリTelegramの創業者が開発を主導したブロックチェーン「TON」のネイティブトークンである。Telegramとの統合により、同アプリ内で様々な用途に活用できる点が特徴だ。
一方、スイは元Meta社(旧フェイスブック)のブロックチェーン開発メンバーが立ち上げた「Sui Network」のネイティブトークンとなる。高速処理と低遅延、安価な送金手数料を強みとし、NFTやゲーム分野での活用が期待されている。
両銘柄とも取扱単位は0.01で、最小発注数量も0.01からとなる。最大発注数量はトンコインが1万、スイが10万に設定された。
調整局面でも拡大続く国内取引所の銘柄拡充
2026年3月現在、アルトコイン市場は米国の金利動向や物価圧力を背景に調整局面が続いている。トンコインは約1.30ドル、スイは約151円で推移しており、両銘柄とも25年初頭の高値から大幅に下落している状態だ。市場全体では投機的な動きから実需ベースの成長へと転換期を迎えつつあり、収益性や持続可能性を示すプロジェクトに資金が集中する傾向が強まっている。
こうした環境下でも、国内暗号資産交換業者による銘柄拡充の動きは継続している。金融庁による金融商品取引法への移行準備が進む中、国内取引所は審査を通過した信頼性の高い銘柄の拡充を進めている。SBI VCトレードの今回の上場も、こうした流れに沿ったものだ。
業界関係者の間では、2026年度税制改正大綱で示された申告分離課税や損失繰越控除の導入により、暗号資産が「投機」から「投資インフラ」へと移行する転換点になるとの見方が強い。国内取引所による取扱銘柄の拡充は、制度化が進む日本市場において投資家の選択肢を広げる意味で重要な役割を果たすことになりそうだ。