米証券取引委員会(SEC)は16日、Aaveプロトコルに対する調査を終了し、強制措置の勧告を行わないと発表した。
この決定により、最大規模の分散型金融(DeFi)レンディングプラットフォームの一つに対する数年以上にわたる調査が終結し、業界にとって大きな規制上の重しが解消された。
Sponsored調査は処分なしで終了
SECの通知によると、同委員会はAaveプロトコルに対する調査を完了し、現時点で強制措置の勧告を行う意図がないとした。
ただし、同委員会は、この調査終了が免責を意味するものではなく、今後状況が変化した場合には改めて措置をとる可能性を排除しないと強調した。今回の通知は、証券法リリースNo.5310に基づくSECの標準的な手続きに従ったもの。
調査は2021年から2022年頃に開始され、当時SECが暗号資産の貸付、ステーキング、ガバナンストークンへの監視を強化していた時期だった。
Aaveは、利用者が自動化されたスマートコントラクトを通じてデジタル資産を貸借できる非カストディ型のDeFiプロトコル。同プロトコルは仲介者不在で運営され、AAVEトークン保有者によってガバナンスが行われている。
Aaveの収益とガバナンスに注目集まる
このSECの決定は、Aaveが収益やガバナンスに関する内部的な問題に直面している中で発表された。
今週初め、DAOメンバーはフロントエンド基盤の変更によってスワップ手数料収益がAave DAOのトレジャリーから逸れた可能性を指摘した。この問題は、Aave公式インターフェースがParaSwapからCoW Swapに移行したことに伴い発生したもの。
ガバナンスデリゲートによると、この変更により取引高次第では、DAOの収益が年間最大1000万ドル減少する可能性がある。
Aave Labsは、フロントエンドは独立したプロダクトであり、これまでの収益シェアは任意のものだったと応答した。
現時点で、Aaveは規制当局からの調査を無罰で乗り越えた。これはポール・アトキンス体制下でSECが暗号資産の規制執行から後退している動きとも一致する。
一方で、DeFiが成熟する中で、Aaveのガバナンス、分散性、価値捕捉をめぐる課題は引き続き残る。