シルバーは、2008年の金融危機以来最大となる1日の急落から回復し、7%超の下落で月曜日の過去最高値117ドル超から急落したものの、110ドル台を回復している。
貴金属市場の極端なボラティリティは、法定通貨や国債に対する信認危機の広がりを反映する。金は5000ドルを突破し、シルバーは過去17年で最も激しい値動きを記録。これにより、主要経済圏の財政持続性への深い不安が示唆されており、このセンチメントは暗号資産を含むリスク資産全体に波及しうる。
記録的急騰後に急反落
白色金属は世界金融危機以来最大の上昇幅を記録し、一時14%高となったが、米国終盤の取引ではほとんどの上昇分を失った。103ドル付近で下げ止まりを見せた後、再び110ドルを上回り、アジア時間の買いによって下落幅を5%未満へと縮小した。
Sponsored金も5111.07ドルに達した後、5100ドル前後まで反落した。
通貨切り下げ取引が相場上昇を後押し
貴金属の高騰は、財政面の懸念が高まるなかで、投資家による通貨と国債からの退避が進んでいることを反映する。先週は日本国債市場で大規模な売りが発生し、先進国全体で拡大する財政支出への懐疑が浮き彫りとなった。
ファーストイーグル・インベストメント・マネジメントのマックス・ベルモント氏は、金は歴史的に市場不安のバロメーターであり、インフレの急変や予期せぬ市況悪化、地政学的リスクなどに対する防衛策となると指摘した。
ドル指数は過去6日間で約2%下落している。これは米国が日本支援に動くとの観測を背景とし、FRBの独立性やトランプ政権の政策の予測不能さへの懸念がさらに強まっている。
テクニカル指標に警告サイン
過去最高値を更新するなか、大手精錬業者ヘレウス・プレシャスメタルズが上昇トレンドは過熱との警告を発している。テクニカル指標は買われ過ぎを示し、金銀価格比率は1年前の100から50まで縮小している。
J.サフラ・サラシンのクラウディオ・ヴェヴェル氏は、シルバーは急騰後に金よりも大きく下落しがちな傾向があると警鐘を鳴らし、ボラティリティの高さから勢いが鈍化すればリスクとリターンのバランスが悪化しうると指摘した。
注目すべき主要水準
シルバーが110ドルを回復できるかが、目先の方向性を左右する。115.50ドルの月曜終値付近まで戻せばV字回復の見方が強まり、105ドルを割り込めばさらなる調整へ向かうシグナルとなる。
市場はトランプ米大統領のFRB議長指名と、今週のFOMC決定を控えており、中央銀行は利下げサイクルの停止が広く予想されている。