2025年9月、ソラナ(SOL)はわずかな価格上昇を見せたものの、市場全体の急落により200ドルから250ドルの範囲で激しく変動した。
それにもかかわらず、ステーブルコイン供給量やDEX取引量、トークン化資産の活動といったオンチェーン指標は引き続き急増している。これは、ネットワークの実力が依然として市場で過小評価されている可能性を示唆している。
Sponsored強力な成長の勢い
最新のVanEckレポートによると、ソラナは2025年9月に+2%という控えめなパフォーマンスを記録した。しかしこの上昇は一時的で、価格は250ドルまで急騰した後、市場全体の急落により1週間以内に200ドルを下回った。
財務面では、ソラナの収益は前月比で11%減少し、暗号資産市場全体のボラティリティの低下傾向を反映した。SOLのボラティリティ自体も前月比で16%低下している。SOL/ETH比率は現在、1年間のトレンドラインを下回って推移している。
9月のSOL価格動向を支えたのは、SOL ETP(上場投資商品)の潜在的なローンチへの期待と、ソラナを中心とした新たなデジタル資産トレジャリー(DAT)の台頭だった。フォワード(150億ドル)とヘリウス(50億ドル)の2つの主要DATが月内に稼働し、SOLへの機関投資家の需要を押し上げた。現在、ソラナベースのDATはSOL総供給量の約2.5%を保有しているとされ、さらに新たなプロジェクトも計画中と報告されている。
Sponsored Sponsored技術的アップグレード:Alpenglow、Firedancer、P-token
9月初旬、ソラナのバリデーターは圧倒的多数(98%)でアルペングローアップグレードを承認した。このアップグレードにより、トランザクションの最終確定時間は12秒から150ミリ秒へ短縮され、バリデーターの経済性やコンセンサスの安定性、ネットワーク全体のパフォーマンスが向上する。
一方、ソラナはブロックごとの「最大コンピュートユニット」に関連するスループット制限への対応を進めている。ネットワークは年末までにブロック容量を25%拡大する計画を掲げており、JumpのFiredancerチームは固定コンピュートユニット制限を撤廃するSIMD-0370を提案している。
また、現在のSPLトークン形式を置き換える新たなPトークンの導入も進められている。SPLトークンは計算効率が低く、1回の転送でソラナのブロックスペースの約10%を消費している。Pトークンは計算需要を95%削減し、トランザクションスループットを約10%向上させる設計となっている。
トークン化とステーブルコインでの役割拡大
ソラナは、特にステーブルコインとトークン化資産の分野で、世界金融における存在感を強めている。ネットワークは新たに20億ドル相当のステーブルコインを追加し、総額は143億ドルに達した。その圧倒的な速度と効率、低コストの取引特性により、ソラナは「ウォール街のステーブルコインネットワーク」になる可能性があるとみられている。
Sponsored Sponsoredさらに、ソラナはトークン化株式のオンチェーン取引量の約60%を占め、現実資産(RWA)のトークン化市場で支配的な地位を築きつつある。
9月には、SOLが1250億ドルのDEX取引量を記録し、11か月連続でイーサリアムを上回った。またソラナはすべてのブロックチェーンの中で総収益および12か月の収益成長率でトップに立った。
Sponsoredソラナはイーサリアムに比べて5倍過小評価されている。 —— ロックアウェイX CEO
ソラナ、ビットコインとイーサリアムに依然遅れ
注目すべきはクジラの動向である。テッド・ピローズ氏によると、かつて15億ドル相当のSOLを購入した主要アカウントが、数週間以内にその保有量の半分を売却したことが、4月以降の回復局面でSOLがBTCやETHに対してパフォーマンスで劣った一因となった可能性があるという。
SOLは依然として過去最高値(ATH)を20%下回っているが、ピローズ氏は、ビットコインとイーサリアムがサイクルのピークを迎えた後、次の市場フェーズではソラナが両者を上回る可能性が高いとみている。
オンチェーンデータやネットワークのパフォーマンスを踏まえると、ソラナは基礎的価値に比べて依然過小評価されているように見える。ただし、このギャップが埋まるのは、ETFの承認や企業ステーブルコイン、RWAプロジェクトなどを通じて機関投資家の資本が本格的に流入したときになるだろう。
第3四半期の動きを受け、投資家は今後数週間、特に3つの重要要素を注視すべきだ。すなわち、ETF承認の締切(10月10日と16日)、ステーブルコイン流入とDEX取引量の持続性、そしてクジラの蓄積行動である。
これらが好条件でそろえば、SOLはATHを回復する転換点を迎え、ソラナが次の暗号資産サイクルにおける機関投資家の中心的銘柄となる可能性もある。