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テザー、5000億ドル調達撤回で上場観測が再燃

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編集:
Shigeki Mori

04日 2月 2026年 19:04 JST
  • テザー社は、投資家が5,000億ドルの評価額を拒否したため、200億ドルの資金調達を撤回した。
  • 強力な利益があるため、規制や透明性への懸念があっても資金調達は必須ではない状況だ。
  • IPOへの意欲は低下しているが、米国の規制が2026年に再び道を開く可能性がある。
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テザー(Tether)、発行額1850億ドルのUSDTステーブルコインの発行元は、プライベートでの資金調達計画を大幅に縮小した。

これは、BitMEX共同創設者アーサー・ヘイズ氏ら暗号資産業界内の憶測で盛り上がっていたIPOの可能性に疑念を投げかける動きである。

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テザー、投資家の反発で資金計画見直しへ

テザーは当初、150億ドルから200億ドル規模の資金調達と、5000億ドルの企業評価額を模索していた。この数字は、同社を世界で最も価値のある非上場企業の1つに押し上げる水準であった。

しかしフィナンシャル・タイムズによると、テザーは現在、資金調達規模を最大でも50億ドル、場合によっては調達を全く行わない選択肢も検討しているという。

今回の方針転換は、昨年から強まった市場の噂の高まりの後に出てきたものである。2025年9月、ヘイズ氏がテザーのIPO観測に再び火をつけ、ステーブルコイン発行元の上場がサークルのUSDC上場成功をも上回る可能性を示唆した。

当時、テザーの評価額は5000億ドル超とされていた。この規模は、スペースXやオープンAI、バイトダンスといった大手テック・金融企業と肩を並べるものであった。

ヘイズ氏は上場の可能性を戦略的な動きとして位置付け、USDT発行残高1850億ドルとテザーの収益構造がサークルに対する競争優位をもたらすとした。

だが、投資家のセンチメントがブームを抑制した。報道によれば、投資家は5000億ドルという極めて高い評価額に難色を示し、主な理由として以下を挙げている:

  • 規制当局による監視
  • 準備資産の透明性への懸念
  • 過去の不正利用疑惑
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テザー、逆風下でも好調維持 IPOは選択肢

直近のS&Pグローバル・レーティングによる格下げでは、テザーがビットコインや金など、リスクの高い資産に対してエクスポージャーを持っている点が強調され、さらなる警戒感が高まった。

「S&Pは、昨年にわたりテザーの準備資産にビットコインや金、担保付き融資、社債、その他の投資などハイリスク資産が増加していることを指摘し、それらは情報開示が限定的で、信用・市場・金利・為替リスクの影響を受けるとしている。また、テザーはカストディアンや取引先、銀行口座提供者の信用力に関しても依然として限定的な情報しか提供していない」と、ロイターはS&Pの引用として報じた

過去6カ月間の暗号資産市場全体の下落により、業界で最も収益性の高い企業であっても、過大な評価額への熱気はさらに冷やされた。

一方でアルドイノCEOはテザーの基礎体力に自信を示し、150億~200億ドルの数字は誤解だと説明した。同氏によれば、同社は資金調達ゼロでも「非常に満足」であるという。

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「その数字は我々の目標ではない。上限値だ。売却の準備はできているが、ゼロ売却でも非常に満足だ」と、同氏を引用する報告書で語られている

テザーは2025年に100億ドルの純利益を計上。ビットコイン価格下落の影響で前年から約23%減少したが、金保有による堅調なリターンがこれを補った。

収益性が確保されているため、テザーは追加資金を必要とする事業上の必然性がほとんどない。つまり、資金調達は資金そのものだけでなく、信頼性や戦略的パートナーシップが狙いである面も大きい。

テザーIPOは実現困難か

今回の方針転換は、テザーのIPOを巡る期待値にも変化をもたらす。上場が差し迫った段階ではなくなったが、規制面の追い風や戦略的施策により、上場の可能性は引き続き残されている。

トランプ米大統領のもとでの米国ステーブルコイン法制化に加え、米国準拠の新トークン「USAT」の導入も、国内市場での正当性の道を開く可能性がある。

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従って、市場環境が好転すれば、2026年にもIPOの準備が進む可能性はあるが、その際は企業価値の見直しが必要となろう。

それでも、テザーの慎重な方向転換は暗号資産業界全体にも大きな示唆を与える。同社は市場の事実上の準備通貨であり、多額の米国債と金も保有する。その撤退は、ブームよりも収益性と透明性を重視する傾向の強まりを浮き彫りにした。

高い評価額での上場を目指す暗号資産企業にとって、テザーの事例は1つの指標となるだろう。持続的な成長力と強固な基礎体力こそが、業界の有力企業でも投資家の信頼を左右する時代となった。

また、テザーのパオロ・アルドイノCEOは、同社が上場を必要としないとの考えを以前から示していたが、決して可能性を否定しているわけではないことも付記すべきである。

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