テザー社のパオロ・アルドイーノCEOは18日、チェイナリシスおよびアルテミスのデータから、USDTは2025年に1000ドル以下の決済で総額1,560億ドルを処理したと発表した。
このデータは、価格チャートやETFの流入だけでは見落とされがちな日常の取引利用という側面を浮き彫りにしている。
SponsoredUSDTが銀行や現金の代替手段に
少額取引は現在、USDT活動の重要な割合を占める。データによれば2020年以降に着実な成長を見せ、2024年から2025年にかけて加速し、1000ドル未満の平均1日取引高が5億ドルを超えた。
この傾向は、USDTが取引手段よりもデジタル決済基盤として機能する割合が高まっていることを示唆する。
この意義は、ステーブルコインを誰がどのように利用しているかにある。1000ドル未満の送金は、特に新興市場で送金、給与支払い、小売決済、貯蓄移動、個人間の送金に該当するケースが多い。
大口取引所の資金移動と異なり、こうした取引は非投機的かつ継続的である傾向が強い。
実際、USDTは現金や銀行送金の代替手段として、ドルへの直接アクセスが難しい・コストが高い地域でますます利用されている。
Sponsoredこの動きは、2025年のUSDTの広範な展開とも一致する。流通供給量は年内に過去最高値に達し、暗号資産取引を超えたドル流動性への需要を示した。
同時に、規制の変化がUSDTの流通地域と手段を再構成した。
米国では、GENIUS法が決済用ステーブルコインの法的枠組みを明確にし、法令遵守したドル連動トークンへの機関投資家の信頼感を強化した。
欧州では、MiCAがより厳格なライセンス規制を導入し、一部の規制下プラットフォームの活動はUSDTから他へ移ったが、グローバルなオンチェーン利用は鈍化しなかった。
テザーはインフラ展開も進めている。最近のライトニングを活用した決済基盤への投資は、USDTをより高速かつ低コストで精算できるネットワークへと押し上げるねらいがある。
アフリカや中東での地域連携も、単なる取引所向け流動性だけではなく、決済と金融アクセスを重視する姿勢を示す。
以上から、1,560億ドルという数字は暗号資産普及議論の視点を転換させる。市場サイクルが話題をさらう中、ステーブルコインは金融インフラとして静かに拡大を続ける。
USDT少額決済の拡大は、2025年における暗号資産普及が投機ではなく、実用性やレジリエンス、世界的なドルアクセスの確保へと変化している兆しを示す。この転換は、どのブルランよりも持続力を持つ可能性がある。