戻る

LIBRA急落、1万ドル損失―投資家撤退

Googleで私たちを選んでください
editor avatar

編集:
Shigeki Mori

20日 2月 2026年 10:43 JST
  • ミレイ氏が支援するLIBRAの暴落で1万ドルを失い、トレーダーは暗号資産取引から完全に撤退した。
  • 訴訟が米国や世界に拡大し、1,300人超のアルゼンチン人が影響を受けている。
  • ミレイ氏の変わる説明が、未解決の疑問を背景に更なる追及を招いている。
プロモーション

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が後押ししたとされるプロジェクトから1年。ミームコイン「LIBRA」は世界で数十万人の個人投資家を引き寄せたが、最終的には資金持ち逃げとされるラグプル疑惑に発展し、暗号資産市場の投機熱の危うさを改めて浮き彫りにした。

チリ出身の25歳、アルフォンソ・ガンボア・シルベストレ氏もその一人だ。LIBRAの立ち上げ直後の高騰と、その後の急落で約1万ドルを失った。同氏は今回の損失を機に、暗号資産市場から完全に撤退したという。

スポンサード
スポンサード

大統領の支持表明で買いが殺到

昨年のバレンタインデー、ガンボア・シルベストレ氏は自宅でトレードを行っていた。その日はいつも通りだったが、同氏のスマートフォンに入った複数のテレグラムの暗号資産グループの1つから通知が届いた。

同氏がそのメッセージを開くと、「アルゼンチン大統領が暗号資産トークンを立ち上げた」といった内容が書かれていた。ガンボア・シルベストレ氏は本当なのか確かめるため、X(旧ツイッター)に急いでアクセスした。

最初はミレイ大統領のアカウントがハッキングされたのかと思った。しかし、大統領の認証済みツイートと記載された「Viva La Libertad Project」の公式サイトをじっくり読んだ結果、その可能性はないと判断した。

こうして同氏はリブラを購入した。合計で5000ドルを投資した。

「2回に分けて買いました。最初は少額、そして本当にミレイ大統領のツイートだと確信してから、さらに多くを投じたんです」とガンボア・シルベストレ氏はBeInCryptoのスペイン語インタビューで語った。

その後、同氏は家族と外食へ出かけたが、スマートフォンから目を離せなかった。リブラの価格は下がり続け、同氏はどうすればよいか分からなかった。

家族の心配そうな視線を避けながら、メニューで最も無難なものを選ぶだけで精一杯だったため、同氏はレストランのトイレにこもった。

「最初は、トークンの価格は一度下がってからまた無限に上がるだろうと思っていた」とガンボア・シルベストレ氏。「だが、そうはならなかった。ひたすら下落し続け、2月14日は悪夢に変わった。」

投資家が資金を一斉に引き上げるなか、同氏も損切りした。結果として、最初の投資額の2倍の損失となった。

スポンサード
スポンサード

この出来事は、同氏が暗号資産の世界から永遠に退く転機にもなった。

頻繁取引から市場撤退へ

ガンボア・シルベストレ氏が暗号資産に初めて手を出したのは2016年、ただの好奇心からだった。しかし2022年から本格的にトレードを始め、積極的な投資家となった。

ミームコイン分野は、当初同氏に好調な利益をもたらしていた。

同氏は、トランプ米大統領とメラニア・トランプ大統領夫人がトランプ氏就任直前の48時間以内に発行した2つのトークン「TRUMP」と「MELANIA」の初期投資家でもあった。

そこで得た成功体験から、リブラでも同様の展開になると信じていた。

「ミレイ大統領がトランプ氏やイーロン・マスクと面会を重ねていたので、『同じ道筋だ、今度も正しいやり方をするし、これは稼げる』と思いました」とガンボア・シルベストレ氏は振り返る。

しかし、事態は期待通りに運ばなかった。金銭以上に、同氏は自らにとって最も大切なもの――暗号資産への情熱を失うこととなった。

スポンサード
スポンサード

「リブラでの一件以降、あの世界から完全に身を引きました。あの期間に大きな収益を上げていた、本当に好きだったことをやめることになったんです。将来はその収益だけで生きていこうとさえ夢見ていましたが、すべての信頼を失いました」

現在、同氏がこの業界と唯一つながっているのは、ミレイ大統領を相手取った集団訴訟への参加のみである。

データでミレイ主張に異議

ガンボア・シルベストレ氏は、損失補償を求めてアルゼンチンで提起された訴訟の原告、212人の投資家の1人。

ミレイ大統領はたびたび、LIBRAによる投資家への影響を過小評価しているが、事実は異なる。

同国で事業展開する中央集権型取引所「Ripio」のデータによれば、1329人が損失を被った。この数字は、影響がごくわずかだったとするミレイ大統領のこれまでの主張と真っ向から矛盾する。

損失を被ったのはアルゼンチン人だけではなかった。影響は国際的に及び、ボスニアからレバノン、オーストラリアまで広がった。

スポンサード
スポンサード

米国では、同プロジェクトの主導者とされるKelsier Venturesの米国投資家でCEO、ヘイデン・デイビス氏に対して、別の集団訴訟が進行している。同氏はこのプロジェクトの黒幕であると非難されている

調査継続で信頼低下

リブラが開始されてから1年が経過した現在も、ミレイ氏は自身のこのトークンプロジェクトへの関与度について一貫した説明をしていない。

集団訴訟で原告側を代理する弁護士の1人、アグスティン・ロンボラ氏によると、ミレイ氏の発言はこの1年間で大きく変化してきた。

「最初はカジノのようなものだと言い、“カジノでは泣くものじゃない”と言いました。その後、自身の意見を販売する権利があるとも述べました。そしてツイート時には大統領としての職務中ではなかったと主張し、さらにその後では自身が詐欺に遭ったと話しました」とロンボラ氏はBeInCryptoに語った。

リブラ事件で最も激しく批判してきたフェラーロ下院議員によれば、ミレイ氏は事件での役割に関する重要な問題に依然として回答していない。

「未解決の疑問は多い。誰が大統領に接触し、40文字を超えるスマートコントラクトアドレスをどのようにして渡し、しかもそれが一般に公開されていないものだったのか」とフェラーロ氏はスペイン語のインタビューで述べた。

真相解明に向けた調査が続く中、金銭的損害の規模も、信頼喪失もいまだ集計中である。

ガンボア・シルベストレ氏や数千人の被害者にとって、リブラは単なる失敗投資ではなく、暗号資産との関係そのものを変える転機となった。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード