戻る

トランプ米大統領、ステーブルコイン利回り巡り銀行批判

Googleで私たちを選んでください
author avatar

著者:
Oihyun Kim

editor avatar

編集:
Shigeki Mori

04日 3月 2026年 10:55 JST
  • トランプ氏は、米銀行が過去最高益を挙げる中で、ステーブルコインの利回りを巡る対立からGENIUS法案を脅かし、Clarity法案を人質にしていると非難した。
  • 主要な争点は、サードパーティの暗号資産企業がステーブルコインの報酬を提供できるかどうかであり、銀行側はこれが大規模な預金流出を招く恐れがあると主張している。
  • 銀行業界と暗号資産業界のホワイトハウス交渉は2月の期限を過ぎて停滞しており、2026年中間選挙による立法時間の制約が強まっている。
プロモーション

トランプ米大統領は、米国の銀行がGENIUS法案を脅かし、CLARITY法案を人質にとっていると非難し、ステーブルコインの利回りをめぐる金融・暗号資産業界間の数か月にわたる対立を激化させた。

この対立により、CLARITY法案は2026年の中間選挙前に頓挫する可能性があり、重要な時期に米国の暗号資産規制枠組みが未整備のままとなる懸念。

スポンサード
スポンサード

トランプ氏、ステーブルコイン利回り巡り銀行批判

トランプ米大統領は火曜日、自身のトゥルース・ソーシャル投稿で、昨年7月に署名した画期的なステーブルコイン法「GENIUS法案」について、「銀行が脅かし、骨抜きにしようとしている」と主張し、議会に対して市場構造法案の即時可決を求めた。

「米国民は自身の資産で、より多くの利益を得るべきだ。銀行は過去最高益を上げているが、我々は彼らが強力な暗号資産アジェンダを妨害することを許さない。このアジェンダが実現しなければ、結局、中国や他国に奪われることになる。CLARITY法案をしっかり整備しなければならない」とトランプ米大統領は記した。

この発言は、ステーブルコインの利回りを巡る立法闘争において、歴代大統領として最も強い介入姿勢を示したもの。ワシントンで暗号資産規制全体の論議が停滞する中での発言。

ステーブルコイン利回りを巡る核心対立

対立の中心には、GENIUS法案に盛り込まれた、「ステーブルコイン発行企業が保有者に直接利息を支払うことを禁止する」条項がある。しかし、同法はコインベースやクラーケンのような第三者プラットフォームがユーザーに利回りを還元することを明確に禁止していない。この点を銀行は「抜け穴」と非難している。

スポンサード
スポンサード

この仕組みにより、暗号資産取引所は米国債などの準備資産で得た利回りを顧客に還元できるため、年0.01%しか付かないような従来の普通預金よりも有利となる競争優位性を生み出している。

大手銀行業界団体バンク・ポリシー・インスティテュート主導の銀行業界団体は、米財務省の分析を基に、この構造が最大6兆6000億ドル規模の預金流出を引き起こしかねないと警告する。バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOも1月、利息付きステーブルコインが全商業銀行預金の約30〜35%を奪いかねないと懸念を表明している。

銀行業界ロビーは、CLARITY法案(現在上院で審議中の暗号資産市場構造法案)を通じて、この抜け穴を塞ぐよう求めてきた。同法案にはSECとCFTCに監督権限を割り当てる規定も盛り込まれているが、ステーブルコインの利回りを巡る論争の場にもなっている。

ダイモンCEO、明確な一線を示す

トランプ米大統領の投稿と同日、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOもステーブルコイン規制について強い発言を行った。ダイモンCEOはCNBCのインタビューで、ステーブルコイン残高への利回り提供を行う企業は実質的に銀行と同等の機能を持つとし、同水準の規制を受けるべきと主張した。

ダイモンCEOは、取引に連動した報酬であればプラットフォーム側が提供してもよいとする一方、保有残高に利息に類する形で支払うことには明確に反対した。同CEOは、銀行は自己資本規制、FDIC預金保険、マネーロンダリング対策、コミュニティ融資義務といった基準を満たしているが、現状の暗号資産企業は満たしていない点も指摘した。

しかし、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、こうした主張を公に否定している。アームストロングCEOは予想するに、デジタル資産との競争が避けられなくなったとき、銀行側がステーブルコイン利息支払いの権利を求めるロビー活動に転じるだろうと述べている。

コインベース、ジェミナイ、クラーケンを含む125社超の暗号資産関連企業連合は、銀行ロビーに対抗する共同キャンペーンを昨年開始し、GENIUS法案の利回り条項の再検討は、市場やイノベーターが依拠する予見性を損なうと主張した。

法整備の期限が迫る

ホワイトハウスは、両陣営間の合意期限を暫定的に3月1日に設定していたが、この期限を過ぎても解決には至らなかった。CLARITY法案は上院銀行委員会で停滞しており、採決日程も発表されていない。

エリプティックの規制分析によれば、上院銀行委員会は1月中旬の法案採決を予定していたが、コインベースがステーブルコイン利回り制限に関する修正案への反発から支持を撤回したため、審議は無期限延期となった。2月上旬に行われたホワイトハウス主導の会合2回でも妥協点は見出せなかった。

また、通貨監督庁(OCC)は先週、GENIUS法案に基づく全376ページの規則案を公表し、その内容がステーブルコイン発行体のパートナーによる報酬支払いの方法を制限しかねないと業界関係者は指摘している。

シンシア・ルミス上院議員はトランプ米大統領の投稿を再投稿し「米国には猶予がない。議会は速やかにCLARITY法案を可決すべきだ」とコメントした。

2026年中間選挙の機運が高まり、夏季休会を控える中で、立法のタイムリミットは迫っている。今後数週間で妥結に至らなければ、米国は、ホワイトハウスと業界双方が重視する競争力維持に不可欠な暗号資産規制の枠組み整備で、世界に遅れるリスクもある。

免責事項

当ウェブサイトに掲載されているすべての情報は、誠意をもって作成され、一般的な情報提供のみを目的としています。当ウェブサイトに掲載されている情報に基づいて行う一切の行為については、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

スポンサード
スポンサード