トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談が30日、韓国・釜山で終了した。会談直後に共同記者会見が開かれず、市場は一時混乱、ビットコイン価格は下落した。
しかし、トランプ氏の会談後の発言で進展が明らかとなり、暗号資産市場のネガティブな動きは速やかに反転した。
Sponsoredビットコイン初期下落から急回復
両首脳の協議開始時、ビットコインは約11万ドルで推移していた。だが協定世界時午前4時ごろ、会談の不透明感から約10万8000ドルまで下落した。
中国の国営メディアによると、会談は予想外に長引き、1時間40分に及んだ。終了後、トランプ米大統領は米国へ帰国。一方、習主席はAPEC首脳会議参加のため慶州へ向かった。
習氏は11月1日まで韓国に滞在し、韓国のイ・ジェミョン大統領や日本の高市早苗首相との首脳会談を行う予定である。
トランプ氏、エアフォースワン機上から「素晴らしい」取引を称賛
協定世界時午前4時40分ごろのこと。トランプ米大統領がエアフォースワン機内で同行記者との即席会見を開き、市場の不確実性は急速に解消した。
当初の市場のパニックに反し、同氏は習氏との会談を極めて成功だったと述べ、「1から10の尺度で12」と評した。
直近の暗号資産市場の変動を招いた主要な貿易摩擦が解消されたもようだ:
- レアアース輸出:大きな対立点だった中国のレアアース輸出規制の脅しは、1年間停止されたもよう。トランプ氏は自信を持って「中国はレアアース輸出を継続する」と述べ、「レアアースに関する障害はもうない」と確認した。
- 大豆輸入:共和党支持層の主要関心に応える形で、同氏は農業貿易への前向きな約束を発表し、「大豆の取引はすぐに始まる」と強調した。
- フェンタニル前駆体の抑制:中国はフェンタニル前駆体の輸出抑制にも合意。見返りに、米国は中国製品へのフェンタニル関連関税を20%から10%に引き下げるとトランプ氏は述べた。これにより、中国に対する現行の関税率は57%から47%に下がる。
これらの結果は、米国が対中追加関税100%を警告した「ブラックフライデー」の急落からの完全な反転を意味する。大統領は、習氏が近く米国を訪問する予定だと付け加え、トランプ氏自身も4月に中国を訪問する計画だと述べた。