米労働統計局(BLS)は日本時間12日、2月の消費者物価指数(CPI)を発表する予定。報告書はインフレの安定化を示す見通しだが、連邦準備制度理事会(FRB)の2%目標は依然として上回っている。
2月のCPI前月比は0.3%増加と予想されている。1月の増加率は0.2%だった。一方、前年比では2.4%で横ばいと見込まれる。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、月次が0.2%、前年比で2.5%と予測されている。
インフレデータはFRB当局者の金融政策判断にとって極めて重要。しかし、今回発表される2月CPIは原油価格上昇のインフレへの影響を反映しないため、市場の反応は限定的となる可能性がある。米国とイスラエルが2月28日にイランを共同攻撃したのち、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油価格は1バレルあたり約67ドルから110ドルを超える水準まで急伸し、その後調整した。
次回CPI発表で注目すべき点
2月CPIは市場予想から大きく乖離する可能性は低い。直近6回の発表では、コアCPIの月間増加率は0.2%または0.3%のいずれかだった。同様に、CPIもこの期間中は月次で0.2%または0.3%上昇が続いた(2025年8月の0.4%増を除く)。
サプライマネジメント協会(ISM)の購買担当者指数(PMI)は、民間部門の仕入価格圧力に関してまちまちな状況を示している。製造業PMIの「支払価格指数」は1月の59から2月は70.5に急上昇。一方、サービス業PMIの同指数は66.6から63に低下した。
インフレデータの事前展望について、TDセキュリティーズのアナリストは「今週の2月CPIは、サービス価格のインフレ鈍化が顕在化し、FOMCの信頼構築に寄与するはず」と述べた。
「2月のコアCPIはサービス分野の上昇ペース鈍化と、より穏やかな関税の転嫁により前月比0.23%まで緩やかになったと見ている。一方、エネルギー価格の反発で総合指数は0.25%前月比上昇を見込む。我々の予測は、コアと総合の前年比でそれぞれ2.5%と2.4%に相当する」と説明している。
米CPI発表がユーロ/ドルに与える影響
市場では事実上、3月のFRB利下げは全く織り込まれていない。4月も25ベーシスポイント(bps)利下げの確率は約12%程度にとどまっている(CME FedWatch Tool調べ)。
1月に金利が据え置かれた後、6月の4会合連続据え置きの確率は、米国とイランの戦闘開始後数日でおよそ70%まで上昇。しかし、2月の非農業部門雇用者数が9万2000人減少という低調な労働指標や、原油価格の軟化を受け、その確率は60%を下回った。
月間コアCPIが著しく予想を下回り、0%以下となれば、投資家は6月の利下げ期待を再評価する可能性がある。その場合、米ドル(USD)は直ちに売り圧力を受ける展開。一方、この統計が0.3%超となれば、6月の緩和観測に疑念が生じ、米ドルを押し上げる可能性が高い。
ただし、米国とイランの戦争によるエネルギー価格の変動で、3月以降のインフレ見通しは不透明。投資家はこのデータだけで大きなポジションを取るのを控える可能性がある。
エレン・センゲゼルFXStreet欧州時間リードアナリストは、EUR/USDのテクニカル展望を簡潔に解説する。
「日足チャートのRSIは30付近から反発したが、依然50を下回る水準にある。EUR/USDは依然として強気反転を完了していない。加えて、同通貨ペアは1.1675〜1.1700の強いレジスタンスゾーン(200日単純移動平均線、11月〜1月の上昇トレンドに対するフィボナッチ61.8%戻し、100日単純移動平均線と重なる)を下回っている。」
「EUR/USDがこのゾーンを回復できない場合、1.1600〜1.1590(静的水準、フィボナッチ78.6%戻し)が最初のサポートとなり、その下は1.1500〜1.1470(静的水準、上昇トレンドの起点)が意識される。上値メドとしては1.1750(フィボナッチ50%戻し)や1.1820(フィボナッチ38.2%戻し)が挙げられる。」