ビットコインは16日、6万8600ドル前後で推移し、重要な米マクロ指標が相次ぐ週を迎えた。年初から値動きは荒く、2025年に付けた過去最高値12万6000ドル超から急落する局面もあった。投資家の警戒感は根強く、米国の経済統計や金融政策の動向が相場を左右する展開が続いている。
関税摩擦の長期化や高止まりするインフレに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを見送る姿勢を示したことで、リスク資産全般に慎重な見方が広がる。17日は米国が大統領の日で休場となり、市場の流動性は一時的に低下する見通しだ。週半ばに発表される主要経済指標の内容次第では、ビットコインをはじめとする暗号資産市場で値動きが一段と拡大する可能性がある。
今週注目の米経済指標と暗号資産市場
トレーダーは、今週4つの重要指標に注目している。水曜日の1月FOMC議事録、木曜日の新規失業保険申請件数、金曜日の第4四半期GDP改定値と12月PCEインフレ。
SponsoredCME FedWatchデータによると、3月利下げの確率はわずか9.8%にとどまり、早期の金融緩和期待に対する懐疑論を反映。
こうした環境下では、小さなサプライズでもビットコインが7万ドルのレジスタンスを試すのか、6万ドルのサポートまで下落するのかを左右しかねない。
FOMC議事要旨
1月FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の公表が、今週の地合いを決定づける可能性。
FRBは前回会合で政策金利を3.50%~3.75%に据え置き、堅調な成長と根強いサービスインフレを警戒する姿勢を示した。
水曜発表のFOMC議事録では、政策担当者の内部議論、特にインフレリスク・労働市場の強弱・関税絡みの圧力について一層深いインサイトが得られる見通し。
タカ派的なトーンが根強いインフレや上振れリスクを強調すれば、「高金利の長期化」観測が強まりやすい。過去にも同様のシグナルで、米国債利回りの上昇と流動性期待の引き締まりを受け、ビットコインが24時間以内に3~5%下落した例がある。
一方で、リスク均衡や成長鈍化への懸念が議事に表れれば、再び利下げ観測が浮上することも。
Sponsored Sponsored祝日で商いが薄い中、少しでもハト派傾向が示されればビットコインが7万ドルへ上昇する可能性も十分。
新規失業保険申請件数
木曜発表の新規失業保険申請件数は、FRBのデュアルマンデート(雇用・物価目標)における労働市場の「現在地」を映し出す。
市場コンセンサスでは、2月14日終了週の新規申請件数は前週の22万7000件から22万件に減少を予想。
21万件未満なら労働市場の底堅さを裏付け、短期的な金融緩和期待が後退。そうなった場合、ビットコインは1~3%下落しやすくなる。
反対に23万件を上回れば雇用の弱さが意識される。過去には労働指標の悪化を受け、FRBが早期に転換するとの思惑でリスク資産が買われる例があり、その際はビットコインが2~4%上昇する可能性。
現在BTCは6万8000ドル~6万9000ドルのレンジでもみ合い。この経済指標は、水曜のFRB議事や金曜のインフレ指標の橋渡し役となる見込み。
Sponsored2025年第4四半期GDP(確報値)
金曜発表の第4四半期GDP改定値は、年率+2.5%成長が見込まれており、速報値+4.4%から大きく減速する形。
もし2.3%を下回れば景気減速観測が強まり、金融緩和観測の高まりを背景にビットコインが3~6%上昇も。GDPの約70%を占める個人消費の動向も注視される。
逆に2.7%超となれば、強い成長が見込まれる中で金融緩和の後ズレ観測が強まり、「高金利の長期化」観測が暗号資産市場の重荷となる可能性。
ビットコインは主要なマクロ材料発表時に株式と高い相関を持つ。強い成長とインフレ持続が重なる場面では、短期的にBTCが下落しやすい傾向。
PCEとコアPCE
今週最大の注目は、FRBが物価判断の基準とする12月のPCEインフレ指標。
市場予想は、総合およびコアPCEとも月次+0.3%、前年比2.8~2.9%の伸び。
Sponsored Sponsored0.2%と予想を下回る月次上昇となれば、デフレ圧力の進行が明確化する。その場合は利下げ観測が高まり、ビットコインが4~8%上昇して7万ドル大台突破を決定づける展開もあり得る。
ただし、0.3%を上回る高い数値となれば、インフレが根強いとの懸念が強まり、イールド(利回り)上昇と金融緩和期待の後退によって、価格に3〜5%程度の下押し圧力がかかる展開となる。
コアPCE(食品とエネルギーを除く)は、政策当局およびトレーダーの双方にとって特に重視される指標である。
FRBのメッセージ、労働市場の堅調さ、経済成長の見通し修正、インフレ指標のいずれもが、2026年の金融政策見通しに直接影響を与える材料となる。
ビットコインは6万8,600ドル付近で安定しているものの、2025年の過去最高値には遠く及ばず、市場は流動性シグナルに依然として敏感な状況が続く。
全体がハト派サプライズとなれば、リスク志向が活発化し、7万ドル突破への上昇が再燃する可能性もある。一方、タカ派データが出れば、6万〜6万5,000ドル付近まで調整が深まる展開となる。