ビットコイン強気派が地政学的リスクによるボラティリティの中でも9万ドルという心理的節目を守る中、トレーダーは暗号資産センチメントを左右しうる米国経済指標カレンダーに注目している。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が揺れる中、重要指標の発表や著名人による講演が、ビットコインやアルトコイン相場に大きな動きをもたらす可能性。
今週注目の米国経済イベント4選
今週、暗号資産市場に大きな影響を与え得る4つの重要イベントをまとめた。
Sponsoredトランプ米大統領が発言
トランプ米大統領は1月21日13時30分(米東部時間)にダボス世界経済フォーラムで演説を行う予定。同氏はこれまで貿易、関税、地政学などについて台本なしで発言してきた経緯があり、市場の注目が集まる。
これまでで最大規模の米国代表団がダボスに参加する中、トランプ大統領の発言は、進行中の関税摩擦、軍事行動の可能性、経済政策などに触れる可能性があり、ドルの強さや世界のリスク許容度へ直接的な影響を及ぼし得る。
暗号資産市場はマクロ経済の変化に極めて敏感であり、トランプ大統領が強硬な通商姿勢を示せば、ドルが強まりビットコイン価格が下押しされる可能性がある。
一方、成長志向や暗号資産に前向きな発言があれば、相場の上昇につながる可能性。
新規失業保険申請件数
1月22日13時30分(米東部時間)発表予定の新規失業保険申請件数は、米労働市場の健全性を示す最新指標。先週、新たに失業保険を申請した米国民数が示される。
Trading Economicsが調査したエコノミスト予想によると、1月15日までの週の新規申請件数は20万3000件で、前週の19万8000件から増加見通し。
Sponsored Sponsoredこのインパクトの大きい指標は、労働市場が堅調な中で発表される直近では、予想21万5000件を下回る19万8000件というサプライズが市場を支え、ドルを押し上げた。
ビットコインにとって、申請件数が少なければFRBのタカ派的な姿勢を裏付け、金利上昇観測が強まり、暗号資産などリスク資産への圧力となる。
最近の傾向として、申請件数は労働力規模で調整した場合に過去最低水準を維持し、景気後退の兆候は見られない。
「実際、労働力規模で調整すると、新規失業保険申請件数は1965年以来の*過去最低水準*に近い」と、暗号資産専門住宅ローン企業Miloが記している。
もし予想を再び下回る場合は、利下げの先送り懸念から9万ドル水準からの調整が続き、ビットコインのセンチメントは悪化する恐れ。
一方で弱いデータが出れば、追加緩和期待が高まり暗号資産の反発要因となり得る。アナリストらは労働市場の強弱を暗号資産動向と関連付けており、本指標はマクロ経済への注目と重なる。
Sponsoredビットコインと株式の相関性が高いことから、市場予想との乖離は特にトランプ大統領の演説後にボラティリティ増加要因となる展開も考えられる。
コアPCE物価指数
また同じく1月22日13時30分(米東部時間)には、FRBが重視するインフレ指標であるコアPCE価格指数月次が発表される。前月比0.2%増との予想(前回は0.1%増)。
11月分に加え、10月の0.2%増と並んで今後の2026年利下げ観測に影響し、インフレが加速すれば利下げが遅れドル高要因。
ビットコインにとって、インフレ率が目標を上回り続けるとリスク資産のセンチメントが悪化し、金利上昇が暗号資産から資金流出となる恐れがある。
直近のウェブ分析では、PCEと暗号資産のボラティリティとの関連性が強まっていると指摘されており、適度な上昇が想定される中、関税協議次第で予想外の展開もあり得る。
PCE指標が予想を上回ればビットコインは下押し圧力を受けるが、下回ればセンチメント改善要因となる。
Sponsored Sponsored消費者センチメント
今週の米経済イベントの締めくくりとなるのが、消費者センチメント指標。
1月23日15時(米東部時間)発表の1月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)は速報値と同じ54.0と予想され、これは過去75年間で最低水準。
この指標はメインストリートの経済的なムードを反映し、小売主導で暗号資産普及を測る上で重要である。センチメントが低迷すると、物価高と不透明感による消費の圧迫を示す。これにより機関投資家が主導する一方、小口投資家が相場上昇をけん引するビットコインの盛り上がりは弱まる可能性がある。
統計改定値が予想を上回れば、ビットコインのセンチメント改善につながり、回復の兆しとなる。一方、予想を下回れば警戒感が続き、価格圧力となる可能性。
本稿執筆時点で、ビットコインは9万2663ドルで推移し、過去24時間で約3%下落。