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米国第3四半期GDP、年率3.2%成長予想

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著者:
FXStreet

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編集:
Shigeki Mori

23日 12月 2025年 23:15 JST
Trusted-確かな情報源
  • 米国の第3四半期実質国内総生産は年率3.2%増と見込まれている。
  • 市場関係者はGDP物価指数と、それがFRBの判断に与える影響にも注目する。
  • 米ドル指数は発表を前に明確な下落基調で推移している。
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米国経済分析局(BEA)は24日(日本時間)、第3四半期の国内総生産(GDP)第1次速報値を発表する。

アナリストは、前期の3.8%成長に続き、年率換算で3.2%の成長が示されると予想している。

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7-9月期も堅調なGDP成長が続く見通し

米国では景気が再び加速しているようだ。3月までの3か月で0.5%の縮小があったものの、今期の3.2%という予想値は前期を下回るが、堅調な経済進展を示すものと見られる。

実際、現在は米国の成長自体が問題視されているわけではない。むしろ焦点は労働市場の弱さや、米連邦準備制度理事会(FRB)と今後の金融政策に移っている。これは鈍化した雇用状況と密接に関わっている。

また、GDPとあわせて、BLSはGDPデフレーター(GDP価格指数)も発表する。これは、国内生産品・サービス全体のインフレを測るもので、輸出を含み輸入は除外される。第2四半期は2.1%で、年初の3.8%からみてかなり良好な水準だった。

さらに注目すべき点は、アトランタ連銀のGDPNowモデルによる直近の予測によれば、2025年第3四半期の実質GDP成長率(季節調整済年率)は3.5%となっていることだ。この数字は公式予測ではないが、アトランタ連銀のサイトによれば「現在の四半期の利用可能な経済データに基づく実質GDP成長率の暫定的な推計」である。

ただし注意点もある。第2四半期は、堅調な雇用創出が安定した消費維持に大きく寄与した。しかし第3四半期は、雇用市場がFRBの想定以上に緩和しており、同様の効果が見込めなくなっている。

直近の非農業部門雇用(NFP)統計によれば、11月の失業率は4.6%に上昇し、4.4%の予想を上回った。同月の雇用創出は6万4000人だったが、前月までの数値は下方修正され、8・9月合計の雇用は当初発表より3万3000人少なかった。10月分は政府閉鎖の影響で未発表であり、雇用環境の悪化が浮き彫りとなっている。

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したがって、予測やアトランタ連銀のGDPNowモデルをみればGDP成長率は3%を超えるように見える。一方で、雇用市場の悪化がその数字を大きく下押しする可能性がある。

米GDP発表時期とドル指数への影響

前述の通り、米国のGDP統計は火曜日13時30分(GMT)に発表される予定であり、米ドル(USD)に影響を与えるとみられる。現在は冬季休暇シーズンで取引量が通常より減少しているため、市場反応が過度になる可能性がある。

米ドル全体が軟調である中、予想を下回る結果が出れば米通貨下落圧力が一段と強まる見通し。逆に予想を上回れば、強気派にとっては救いの材料となり得るものの、現状の下落基調を大きく変えるには至らない可能性が高い。

FXStreetチーフアナリストのバレリア・ベドナリク氏は次のように述べている。

「米ドル指数(DXY)は発表前に98.30付近で推移しており、12月の安値97.87をやや上回る水準だ。テクニカル的にはDXYは弱気で、日足チャートでは100日単純移動平均線(SMA)が98.60付近で横ばいの動きを見せており、売り圧力が強い。20日SMAは下落を強めており、さらなる売り圧力を示唆する。各種インジケーターもマイナス圏で下方向を示しており、今後さらに安値を更新する展開がうかがえる。」

ベドナリク氏は続けてこう述べている。

「GDP統計が悪ければ、DXYはこの月間安値近辺まで下落し、さらなる下値としては9月30日の日中安値97.46が意識される。さらに下落すれば97.00付近で下げの勢いが弱まるだろう。直近の上値抵抗は金曜高値98.42で、次が100日SMAの98.60。ここを超えれば、99.00が次の壁になる。」

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