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米国PPIデータ:インフレ鈍化も市場は反応薄

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Shota Oba

11日 9月 2025年 02:01 JST
Trusted-確かな情報源
  • 米国のPPIデータは予想を上回り、インフレ率は3.3%予想に対し2.6%上昇した。これにより、連邦準備制度理事会の利下げの可能性が強まった。
  • 強気のシグナルにもかかわらず、ビットコインと暗号市場は静かである。トレーダーは連邦準備制度の9月の政策決定を待っている。
  • トランプ氏がBLSの委員長を解任した後、政治的混乱とBLSデータの信頼性への懐疑から投資家の警戒感が高まっている。
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連邦観測者が最新の米国PPIデータを発表し、予想よりも良好なインフレ状況が示された。利下げ期待が高まる一方で、暗号資産市場の反応は限定的だ。

VALR共同創業者兼CEOのファルザム・エサニ氏がBeInCryptoに独占コメントを寄せ、この報告が公表される直前に分析を提供した。

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米国生産者物価指数の新データ

労働統計局(BLS)は定期的に消費者物価指数(CPI)を発表し、インフレ動向を測定し暗号資産市場に大きな影響を及ぼしてきた。同時に、生産者価格指数(PPI)は供給側からのインフレ動向を示す重要指標だ。

最新のPPIデータは予想を上回る良好な結果となった。エサニ氏は、この報告は暗号資産市場に影響を与える主要マクロ要因の一つであると強調する。

現在、トレーダーはCPIとPPIの発表、そして9月のFRBの金利決定に注目している。もし利下げをめぐる「ニュースで売る」ダイナミクスが支配的になれば、BTCは確信が戻る前に再び強い揺さぶりを受ける可能性がある。
—— ファルザム・エサニ氏

PPIは前年同月比+2.6%と予想の+3.3%を大きく下回り、前月比では-0.1%と、市場予想の上昇に反し低下した。これはインフレが想定よりも抑制されていることを示す。

米国のコモディティ生産者がトランプ政権下の関税コストを吸収している可能性もあり、暗号資産市場の不安要因となっている。ただし、インフレ抑制はFRBが利下げに踏み切る根拠を補強する材料だ。

この数字と前日の雇用統計修正は、利下げシナリオを後押しする可能性が高い。

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市場が反応しない理由

しかし現時点で、PPIデータは暗号資産や伝統的金融市場に大きな動きをもたらしていない。理論上は強気要素であるはずだが、市場は静観している。エサニ氏はその背景をこう説明した。

ビットコインの鈍い動きは、複雑なマクロ経済環境に対する自然な反応だ。投資家は9月の利下げを見据えてリスクを分散している。熱狂の欠如は、政策緩和さえも新たな確信ではなく、慎重に受け止められているというセンチメント変化を示している。
—— ファルザム・エサニ氏

実際、利下げを裏付ける他のデータも市場を動かさなかった。一度の良好なインフレ指標では弱気ムードを打ち消すには力不足だ。

さらに、8月の弱い雇用統計を受け、トランプ大統領がBLSのエリカ・マクエンターファー委員を解任した。この異例の決定は市場の信頼を揺るがし、今回のPPI統計にも疑念が向けられている。

その結果、投資家の一部はインフレ統計自体の正確性に疑念を抱いている可能性がある。

要するに、多くの要因が市場心理を複雑化させている。次回FOMC会合は1週間以内に予定されており、パウエル議長が利下げの意向を示せば、暗号資産市場は強く反応するだろう。

だが現時点では、PPI単独のポジティブサプライズだけでは市場を動かすには不十分だ。

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