決済大手のVisaが24日、米国市場でステーブルコインUSDCによる決済サービスを開始した。Cross River BankとLead Bankが初期参加機関として、Solanaブロックチェーン上での決済業務を開始している。年換算で35億ドルを超える規模に達したステーブルコイン決済は、金融機関のトレジャリー業務に変革をもたらす可能性がある。
米国金融機関がブロックチェーン決済に参入
Visaは12月16日、米国でのUSDC決済サービス開始を発表していた。同社のイシュア(カード発行会社)とアクワイアラ(加盟店契約会社)は、サークル社が発行するドル担保型ステーブルコインUSDCで決済を行うことが可能となった。
初期参加機関のCross River BankとLead Bankは、ソラナブロックチェーン上でUSDC決済を開始している。両行はフィンテック企業向けのバンキングインフラを提供する金融機関として知られる。Visaは2026年内に米国での展開を拡大する計画だ。
Sponsoredステーブルコイン決済により、金融機関は週末や休日を含む24時間365日の資金移動が可能となる。従来の週5日稼働から週7日稼働への移行は、決済速度と流動性管理の両面で効率化をもたらすとされる。11月30日時点で、Visaのステーブルコイン決済額は年換算で35億ドルを超えた。
トレジャリー業務の効率化を実現
ブロックチェーンベースの決済は、金融機関のトレジャリー業務に具体的な利点をもたらす。プログラマブルな資金移動により、取引照合の自動化と業務プロセスの簡素化が可能となる。
Lead BankのCEO、ジャッキー・レセス氏は「週7日対応の決済により、トレジャリー業務をより迅速かつ正確に遂行できる」と述べた。Cross River Bankのジル・ゲイドCEOは「ステーブルコインと従来の決済ネットワークの両方にネイティブ対応する統合プラットフォームが、今後の国際的な資金移動の基盤となる」との見解を示している。
Visaは既に数年前から中南米・カリブ海地域、欧州、アジア太平洋地域などでステーブルコイン決済のパイロットプログラムを実施してきた。2023年に主要決済ネットワークとして初めてステーブルコインによる決済取引を提供して以来、段階的に対応地域とブロックチェーンを拡大している。
新ブロックチェーン「Arc」の開発に参画
Visaは、Circleが開発を進める新たなレイヤー1ブロックチェーン「Arc」の設計にも関与している。現在パブリックテストネットで検証中のArcは、Visaのオンチェーン商取引に必要な性能と拡張性を備えるよう設計されている。
Arcのローンチ後、Visaはネットワーク内でのUSDC決済にArcを活用し、バリデーターノードを運用する計画だ。Visaの成長製品および戦略提携担当グローバル責任者、ルベイル・ビルワドカー氏は「金融機関からは、より迅速でトレジャリー業務とシームレスに統合できる、プログラム可能な決済オプションが求められている」と説明した。
サークルのの最高製品技術責任者、ニキル・チャンドック氏は「米国でのUSDC決済は、インターネットネイティブな資金移動の重要な節目となる。カード発行金融機関は、USDCの透明性と信頼性を維持しつつ、トレジャリー業務を刷新できる」と語った。
なお、エンドユーザーのカード決済体験に変更はない。Visaは金融機関向けにステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティスを立ち上げ、市場適合性や実装に関するトレーニングと戦略的助言を提供する。