ヴィタリック・ブテリン氏は27日、欧州連合のデジタルサービス法(DSA)に基づく規制アプローチについて、物議を醸す発言や製品に「余地を残さない」ことで多元主義を損なうリスクがあると警告した。
イーサリアム共同創設者のブテリン氏はX(旧Twitter)への詳細な投稿で、自由社会は有害とみなす考えを排除することを目指してはならないと主張した。むしろ、規制当局はそうしたコンテンツがアルゴリズムによって増幅され、公共の議論を支配することを防ぐべきだと論じた。
SponsoredEUの「ノースペース」方針とは
デジタルサービス法は、オンラインの全エコシステムに適用される。EU域内のユーザーにリーチするすべてのサービスが、規模や所在地を問わず同法の対象となる。義務はリーチやリスクに応じて変動するが、いかなるプラットフォームも規制枠外に置かれることはない。
この設計は、過去にプラットフォームが責任回避できた法的・技術的抜け穴を塞ぐことを狙いとしている。
批判派はこれを「余地を残さない」アプローチと表現する。有害なコンテンツが責任を逃れる未規制のデジタル空間を許さないという立場である。
目指しているのは一律の検閲ではない。DSAはリスク評価、透明性、そしてコンテンツの拡散に影響を与えるプラットフォーム設計の選択に焦点を置いている。
ブテリン氏は、現代のSNSにおける本当の問題は、過激な意見の存在自体ではなく、アルゴリズムがそれらを大規模に拡散してしまう点にあると述べた。
同氏はまた、ゼロトレランス(寛容ゼロ)思考は過剰な介入や対立、技術管理主義への依存拡大につながりかねないと警告した。
Sponsoredブテリン氏は、好ましくない考えを「抹消すべき病原体」とみなすことは反多元主義的な本能の現れだと警鐘を鳴らした。開かれた社会では意見の対立は避けられず、物議を醸す意見を徹底的に排除しようとすると、監視や執行の権限が拡大するのだと論じた。
同氏はユーザーの権限強化、透明性、競争の重要性を訴えた。プラットフォームは有害な内容が報酬を得るインセンティブを減らすべきであり、それ自体を全面的に排除することは目指すべきではないと強調した。
プライバシーコインに強気か
この議論はまた、モネロやジーキャッシュなどのプライバシーコインにも注目を集めている。
規制当局がプラットフォームに行動監視やデータ保存を求める中、監視が強化されることでデータ露出リスクが高まることをユーザーもより強く意識するようになりつつある。
こうした状況は、追跡困難な金融ツールの語られ方、ストーリー性をより一層強調するものとなっている。
ただし、その影響は一様ではない。プライバシーコインへの哲学的支持が高まったとしても、EU規制市場でのアクセスは依然として制約が大きい。取引所各社はコンプライアンスリスクを理由に、上場停止や取り扱い制限を続けている。
要するに、欧州のアプローチはプライバシーの重要性を改めて浮き彫りにしつつも、プライバシー重視のツールが利用できる場を限定する結果となっている。