金は23日の週明け、さらに2%下落し、足元では4400ドル前後と2025年末以来の水準で推移している。過去3週間の急落で2026年初めの上昇分はほぼ消失した。イラン戦争は原油市場を揺らす一方、従来は有事で買われるとされてきた金の動きを変え、市場の資金が暗号資産へと分散する構図が鮮明になりつつある。
オイルショックが計算式を変えた
金は本来「安全資産」とされている。世界が不安定になると、投資家は金を買う傾向。しかし今回の戦争には石油市場のショックが伴った。それが全てを変えた。
原油価格の高騰により、世界中でインフレが加速。中央銀行は今年中に利下げを見込まれていたが、現在は据え置きが主流。一部では利上げも議論されている。金利が上がると債券の利回りは上昇し、無配当の金は相対的に魅力が薄れる。
米ドルも戦争開始以来上昇。金はドル建てで価格が決まるため、ドル高になると米国外の買い手にとって金は割高。これにより世界的な需要が減少し、さらなる下押し要因となる。
また、モメンタムの問題もある。金は2025年に64%上昇し、1月には初めて5000ドルを突破。こうした急騰は投機資金を呼び込む。センチメントが変化すると、これらの投資家は真っ先に売る。まさに現在それが起きている。
チャートが示すトレーダーへのメッセージ
金は8営業日連続で下落。週間の下げ幅は12%に達し、年初来上昇率も2%を切った。
月曜日には一時的に4500ドル超えを見せたものの維持できず、数時間で4400ドル割れ。RSIは30を下回り、売られすぎのサイン。一部トレーダーは買い場と見るが、警告と捉える層もいる。
4300ドル台が重要なサポート。ここを割ると、売り圧力がさらに強まる可能性。ウォール街の年末予想は多くが依然5000ドル超だが、見直しが静かに進む。