ソラナ基盤のトークンであるHumidiFi(WET)が急伸している。24時間で2倍超となり、25日の市場では上昇率で主要銘柄の中でも突出した。トークンセールが不調に終わった直後の値動きとしては異例で、上場を契機とする短期資金の流入が価格を押し上げたとの見方が出ている。
SponsoredHumidiFi(WET)トークン急騰の背景
BeInCrypto Marketsのデータによれば、WETは過去24時間で104.5%上昇している。本稿執筆時点で、同アルトコインは0.25ドルで取引されていた。
WETの時価総額も5000万ドルを突破した。さらに、取引高も好調で、1日あたり1億5000万ドルを超えている。
このトークンの急騰でコミュニティの話題も高まり、CoinGeckoのトレンド入りも果たした。センチメントデータでは、トレーダーのおよそ80%が上昇傾向、20%が下落傾向との結果が示されている。
そもそもHumidiFiとは何か。そして何がこのブームを生んでいるのか。HumidiFiはソラナ上で稼働する独自の自動マーケットメイカー(prop AMM)である。
公式ライトペーパーによれば、HumidiFiはソラナ最大規模の分散型取引所で、1日当たり10億ドル超の取引高を誇り、ソラナのスポットDEX取引の35%以上を占めている。また、同プロトコルはJupiter、DFlow、Titan、OKX Routerと連携し、ネットワークの主要な流動性レイヤーとして機能している。
WETはこのプラットフォームのネイティブトークンで、Jupiterの分散型トークンフォーメーション(DTF)で初めてリリースされたトークンである。パブリックセールは先週から始まっている。
しかし、ローンチには混乱が生じた。12月5日、ブロックチェーン分析企業Bubblemapsが明らかにしたところによれば、単一のエンティティ「Ramarxyz」が1000以上のウォレットを使い、プレセールのうち70%を獲得していた。HumidiFiとJupiterはこの件を即座に認めた。
Sponsored「彼らは1000USDCを持つウォレットを何千も用意した。各ウォレットごとに、DTFスマートコントラクトへ資金を入金するインストラクションが発行されている。それは『1000USDCをDTFに入れてWETを購入する』というボタンのようなものだ。そして、6つのこのボタンを同時に押すような取引を実行した。バンドルごとに4件の取引があり、それぞれ6つのインストラクションを実行する。つまりバンドル1つ当たり合計2万4000USDC、または約35万WETとなる」とHumidiFiは説明している。
これに対応し、運営は新トークンによる完全なリローンチを発表した。この決断は、チャンス狙いの売買よりも、公平な参加とコミュニティ重視の姿勢を示すものとなった。
「現行のWETトークンは完了したプレセールボールト内にあり回収不能となったため、パブリックセール再開のために新しいトークンがミントされる。現在のWETトークン(WETcX1wAahwVbuJ9HihE8Uwf3dwmJBojGphAZPSVpJP)は無効化され、HumidiFi公式トークンにはならない」とJupiterは付け加えている。
アンチボット機能で再ローンチ成功
パブリックセールのリローンチは12月8日午前10時(米東部標準時)に実施された。スナイピング対策として、DTFフロントエンドやCloudflareを利用した承認サイン方式、入金ごとのコンピュート単位増加、リバートプロテクション無効化の仕組みなどが組み込まれた。
これらの対策は効果を発揮した。パブリックセールでは本物の購入者から207万USDCを調達し、DTFプラットフォームには6万件の訪問があった。HumidiFiの分析によると、預入額が上限の500ドル未満だったユーザーは全体の20%であり、実際の利用者による参加が大半だったことを示唆している。
「WETの購入に成功した4000人超のユーザー全員がDTFアプリケーションのフロントエンドを通過している。初期のウォレット年数分析に基づけば、正規ユーザー(操作が早く、頻繁に更新する層)が今回は勝者であり、疑わしいアドレスの割合は約5%にとどまると強く確信している」とJupiterは投稿している。
再ローンチの成功により、初回プレセールにおける操作の後、コミュニティの信頼が回復した。また、WETトークンはコインベース、OKX、Bybit、Gateなどの主要暗号資産取引所への上場を果たした。これにより、トークンの認知度が大きく向上し、流動性が深まり、より幅広い投資家層へのアクセスが可能となった。
これらの進展により、WETは鋭い上昇基調となり、現在の相場で特に際立つ存在として地位を確立した。