韓国銀行(BOK)は、国内投資家の暗号資産総保有額がわずか半年で27%減少したと報告した。
取引量と預金も同時期に縮小し、韓国市場の減速が鮮明となった。韓国は世界的に見ても現物暗号資産購入力が高い国とされている。
取引量の急減
BOKはまた、ビットコインを含む主要暗号資産のボラティリティが低下していることも指摘した。
Sponsored金融安定報告書でBOKは「ビットコイン価格が上昇しているにもかかわらず、国内投資家の暗号資産保有総額は年初ピークから大幅に減少した」と明らかにした。
データによると、保有額は2025年1月の121.8兆ウォン(約892億ドル)から6月には89.2兆ウォン(約654億ドル)へ減少。預金も42%減の10.7兆ウォンから6.2兆ウォンとなった。
世界のステーブルコイン市場は拡大、韓国はなぜ減少?
6月の平均日次取引量は3.2兆ウォンにとどまり、2024年12月の17.1兆ウォンから約80%減少した。
BOKは、国内の暗号資産低迷を株式市場の活況に結び付けている。ビットコインが史上最高値を更新するなか、韓国株も急騰し、資金が暗号資産から株式へ流れた。
このシフトは、現物暗号資産購入水準が世界的に高い韓国にとっては警戒すべき動きだ。
さらに、過去1年にわたりビットコインを上回る取引量を示してきたステーブルコインの需要も3月以降失速。世界市場の動向とは対照的な展開である。
BOKは報告書で、世界の暗号資産市場の総時価総額は拡大を続ける一方、主要資産の価格変動は低下していると説明。特に米国のステーブルコイン法GENIUS法の施行が、世界的なステーブルコイン時価総額の急増を後押ししていると分析した。