米暗号資産取引所最大手コインベースのブライアン・アームストロングCEOは27日、米国の銀行が将来的にステーブルコインを巡る姿勢を転換し、利払い機能の解禁を求めて議会への働きかけを強めるとの見通しを示した。銀行業界は足元では規制強化を支持する立場にあるが、暗号資産市場の拡大と競争環境の変化が、金融機関の戦略を変える可能性があるとみている。
同氏は、X(旧ツイッター)への投稿でこうした考えを表明した。現在、米議会で審議が進むステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」では、銀行側が利回り機能の排除を求めている。だがアームストロング氏は、預金や決済を巡る主導権を巡り、銀行が最終的に利払い型ステーブルコインを自らの収益機会と捉え、暗号資産分野への関与を強めると予測している。
Sponsoredアームストロング氏、銀行のステーブルコイン利払い禁止は撤回と予測
同氏は、銀行は低コストの預金を守る立場を取っているが、資本争奪競争でこの技術を採用せざるを得なくなると主張した。
「私の予想では、数年後には銀行側がむしろステーブルコインへの利払い解禁を求めて積極的にロビー活動をするようになるだろう」とアームストロングCEOは記している。
この予測は、GENIUS法案を巡る現在の立法闘争を単なる規制争いにとどまらず、既得権益の防衛と市場の必然的進化の衝突として位置づけ直すものとなった。
2025年7月に制定されたGENIUS法は、サークルやテザーなどのステーブルコイン発行者が保有者に直接利払いすることを禁じている。
一方で、取引所などの仲介業者が、裏付けとなる米国債準備から得られる利回りをユーザーに還元することは認めている。
そのため、銀行ロビーは議員に対し、この抜け穴を塞ぐよう法改正を求めて働きかけている。
Sponsored銀行側は、ノンバンクのプラットフォームが流動性の高い現金同等物に対してほぼリスクなしの米国債利回り4%から5%を提供できる現状では、商業銀行は預金金利を上げずには競争できず、純金利マージンが圧迫されると主張する。
一方、アームストロングCEOは制定済みの法改正を試みる動きを「暗号資産業界にとって越えてはならない一線」と表現した。
銀行ロビーの手法について、同氏は「思考のねじれ」と批判。安全性を理由に挙げる一方で、市場より低い利率しか預金者に払わないビジネスモデルを正当化する矛盾を指摘した。
コインベースのアームストロングCEOはまた、銀行業界団体による現状のロビー活動費は「100%無駄な努力」と述べている。
注目すべきは、コインベースを含む暗号資産企業125社の連合が最近、上院銀行委員会に法案修正に反対する書簡を提出したことだ。同連合は、法案の再審議は規制の確実性を損なうと主張する。
アームストロングCEOの立場は、銀行がほぼゼロ金利で預金を確保できる時代は終焉を迎え、今後は自らトークン化したドルを発行し、利回りスプレッドを直接取り込むようになることを示唆している。
その転換が起きるまでは、コインベースなどはドル保有者向けの高利回りサービスを提供する現行制度の防衛に注力する姿勢だ。