XRPは依然として市場全体の上昇に乗り切れていない。主要アルトコインが強いパフォーマンスを見せる中、XRPの上昇率はわずか3.1%にとどまり、3ドル付近で伸び悩んでいる。何度もブレイクアウトを試みるものの、上値を突破できずにいる。
その背景には、弱気なチャート構造と、クジラと個人投資家の間で真逆の行動が続いていることがある。大口勢は静かに買い増しを続ける一方、リテール投資家は利益確定を急ぎ、結果として価格が膠着している。
クジラが買い、小口投資家が売る ― ブレイクアウトを阻む膠着状態
オンチェーンデータは、クジラ(大口投資家)とリテール投資家のポジションの乖離を示している。
Sponsored100万~10億XRPを保有するウォレットの保有量は、9月末の8.95億XRPから10月上旬には9.59億XRPへと増加。7.1%の上昇で、現在のXRP価格を基準にすれば約19億ドル規模の買いが入った計算になる。これは、クジラが価格レンジ内で淡々と買い支え、急落を防いでいることを意味する。
同時に、取引所へのXRP流入(ネットポジション変化)は、9月29日の1億9700万XRPから10月6日には2億5900万XRPへ急増し、約31%上昇。取引所への資金移動は売り圧力の増大を示す傾向があり、これは主に個人投資家によるポジション解消に起因するとみられる。
つまり、クジラの買いが価格を下支えしている一方で、個人投資家の売りが上値を抑え続けている。この「押し合い状態」が、XRPの明確な方向性を妨げている要因だ。ブレイクアウトを実現するには、リテール層の心理が「売り」から「保有・買い増し」へ転換する必要がある。
XRP価格、下降チャネルに依然として閉じ込められる
テクニカル的には、XRPは下降チャネル内で推移しており、安値・高値ともに下向きのトレンドを維持している。10月2日以来、上部トレンドラインが強固な抵抗として機能しており、上昇を阻んでいる。
特に3.09ドル付近は日足ベースの重要な分岐点で、この水準を明確に上抜けすれば、下降構造の終了と新たな上昇トレンドの開始を示すサインとなる。
ブレイクアウトが確認されれば、XRPは3.33ドル、続いて3.58ドルを目指す展開が視野に入る。一方で、2.94ドルを下抜けた場合、弱気構造が強まり、2.88ドル付近への再テストも想定される。
今後の焦点は、XRPが3.09ドルの壁を突破できるかどうかにかかっている。アルト市場全体が強気を維持する中、XRPがこのレジスタンスを上抜けられれば、ようやく他の主要銘柄と歩調を合わせる可能性が出てくる。