Zcashは短期的な反発を見せているが、全体像は依然として不透明。1月10日に直近の最安値を付けた後、Zcash価格は約16%反発した。この反発は、トークンが週間で20%超下落し、直近24時間でも再び値を下げた状況下での動き。一方、オンチェーンデータではクジラによる積極的な買い集めが確認できる。
同時に、トレンドシグナルや取引所のフロー、スマートマネーの動きはリスクを示唆。この構図からは、今回の反発が回復の始まりなのか、それともさらなる下落への一時的な小休止なのか、意見が分かれる場面となる。
Sponsored強気のダイバージェンスとクジラの買い集めが反発を解説
今回の反発には背景がある。12月6日から1月10日にかけて、Zcashは隠れた強気なRSIダイバージェンスを示現。Zcash価格は高値を維持しつつ、売買の勢いを測る相対力指数(RSI)は安値を割り込んだ。このパターンは一般的に売り圧力の低下と、それに続く価格反発の兆候とされる。
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クジラの動きもこのシグナルと合致する。過去7日間で、Zcashの最大保有者たちは積極的に買い増しを実施。メガクジラウォレットは保有量を39.07%増加させ、合計残高は4万5103ZECとなった。
小規模クジラウォレットも保有量を加えており、17.63%増の1万405ZECとなった。この7日間のクジラによる買い追加額は、米ドル換算で570万ドルに上る。
著名ウォレットも同期間に20%近く増加。こうした堅調な蓄積が、RSIダイバージェンスによる価格上昇と、1月10日のZcash反発を支えた要因となった。
現物流出減少でEMAリスク拡大
ただし、反発には構造的なレジスタンスが立ちはだかる。Zcash価格は現在、主要な指数平滑移動平均線(EMA)の下で推移。EMAは直近の価格動向により重みを置いてトレンドの方向性を示す。20日EMAは50日EMAの下にクロスしようとしており、この態勢は反発の上値を抑制し、下落トレンドの再開を促すことが多い。これらのEMA水準が上値抵抗として意識されている。
スポット取引所でのフローもリスクを強調している。Zcashは依然として純流出超が続き、コインが売却目的で取引所に入るよりも出ていく状況。しかし、その勢いは大きく鈍化。1月7日には純流出超が約3560万ドルとピークを付けた。
Sponsored Sponsoredその後、約1070万ドルへとおよそ2500万ドル(70%近く)の減少となった。この動きは、クジラが引き続き積み増しを続ける一方、個人投資家による売りや慎重姿勢が再び市場に広まりつつある可能性を示している。
なお、今回の構図は初めてではない。12月下旬にも同様のEMAクロスリスクが顕在化したが、その際は持続的なクジラの買いが20日EMAを50日EMAの下抜けを回避させる形となり、Zcashは38.36%上昇した。市場はいま、今回もクジラの積極的な買いが個人需要の弱まりに打ち勝ち、下降トレンド再開を阻止できるか注目している。
スマートマネー、Zcashの300ドルリスクを警戒
最後のシグナルはスマートマネー・インデックス(SMI)から。SMIは、情報優位性のあるトレーダーが個人とは異なる動きをするかを追跡する指標。シグナルラインを下回る状態は慎重さや下落リスクを示す。ZcashのSMIはいまだ明確にシグナルラインを下回ったまま。
Sponsored前回この水準まで急落したのは11月下旬から12月初旬。このときZEC価格は50%以上下落した。直近はSMIラインが横ばい状況となっているが、注目すべきニュアンスもある。
デリバティブ市場では、ここ24時間でスマートマネーがネットロングを積み増し始めた。これは一部トレーダーが反発に賭けていることを示唆するが、その賭けが成立するかは依然として条件付きの状況。
反発には、Zcashが408ドルを回復し、さらに459ドルと483ドルを上抜ける必要がある。それが実現するまで、EMA構造と弱い流出により下落リスクが残る。361ドルを明確に下抜けると、300ドルへの道が再び開かれる。
Zcashの反発は現実であり、クジラによる買いがその理由となっている。しかし構造が主導する状況には変わりない。トレンドシグナルが転換しない限り、クジラの買い集めやスマートマネーのポジショニング改善だけでは300ドルリスクを打ち消せない。