Zcashが今週、突如としてガバナンスの混乱に見舞われ、価格が急落した。パニック売りがZECを1日で20%以上下落させ、一時は380ドル近辺まで下落したが、買いが入り下げ止まった。安値からは約17%反発し、現在は440ドルを再び上回って推移している。
目先の恐怖は後退したが、急落によるテクニカル上のダメージが残った。同時に、下落を受けて力強い買いも出現した。Zcashは、脆弱なチャート構造と明確な蓄積の応答のはざまで推移している。
SponsoredZcash、ガバナンス混乱で下落傾向 30%下落リスク継続
急落の発端は、Zcashの中核開発チームが退任したとの報道だった。市場は当初、プロジェクト自体の失敗と受け止め、強制的な売りが発生し、価格は急速に崩れた。その後、改めて説明がなされ、これはプロトコルの問題ではなくガバナンス再編だったと明らかになり、センチメントが安定、反発のきっかけとなった。
反発はあったものの、チャートは依然として脆弱だ。Zcashは12時間足の上昇ウェッジ内で推移しており、サポートが崩れれば下落リスクの高い構造となっている。
同時に、弱気なEMAのセットアップが形成されつつある。指数平滑移動平均(EMA)は直近の価格に重みを置くトレンド指標で、勢いの変化を捉えやすい。Zcashのチャートでは短期の20EMAが、より鈍い50EMAに接近している。弱気クロスが形成され確定した場合、トレンドの勢いが弱まったシグナルとなる。
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もしZcashがこのウェッジの下限トレンドラインを下抜ければ、下落幅は約30%と予想する。その目標値は、構造の上限と下限の垂直距離に基づき算出している。反発で目先のパニックは和らいだが、このリスクが消えたわけではない。
Sponsored Sponsoredクジラが320万ドル買い越し
チャートが弱含む一方で、オンチェーンの動きは異なる様相だった。大口保有者が、このガバナンス主導の下落を好機ととらえて積極的に買い増した。
過去24時間で、ZECのクジラは保有量を4.49%増やし、合計8919ZECとなった。これは急落時に約381ZECを追加した計算だ。さらにメガクジラの動きは活発だった。保有量が19.2%増加し、合計4万2786ZECとなり、およそ6905ZEC相当を買い増したことになる。
両者を合わせ、大口保有者は計7286ZECを買い増した。スポット価格換算で約320万ドルに相当する新規買いが入った計算となる。
Sponsored Sponsoredこの積み増しは、取引所残高の減少と同時に起こり、売却準備ではなく長期保管のために移されたと示唆できる。この買い圧力によって、Zcashはパニック後に素早く反発したと考えられる。
ただし、蓄積は下落の速度やボラティリティを和らげることはあっても、弱気な構造を自動的に反転させるものではない。
開発活動減速でZcash価格が岐路
最後の変数は開発動向だ。データによれば、Zcashの開発スコアは12月末に21.85付近までピークを付けた後、19.67近辺まで緩やかに低下し続けている。この下落はガバナンスのニュース以前から始まり、現在も続いている。
過去には、Zcashの強い上昇局面は開発動向の盛り上がりと重なる傾向があった。今回の鈍化が、パニック売り以前から価格の伸び悩みにつながっていた。ガバナンスの説明で恐怖は和らいだが、この根本的な傾向は変わっていない。
この点は重要だ。Zcashは市場でも有数の長期好調トークンの1つであり、過去3か月で約66%上昇、2025年の中でもトップクラスのパフォーマンスを示した。その強さが続くためには、開発動向が再び安定し、再加速する必要がありそうだ。この過小評価されがちな指標が、実は価格を支える要素となりうる。
価格の観点から見ると、Zcashは現在、重要な局面を迎えている。456ドルをしっかりと上回れば短期の見通しが改善し、下落リスクが低下する。一方で、ウェッジの下限トレンドラインを割り込めば、30%の下落シナリオが再浮上し、360ドル、309ドル、最終的には272ドルが重要な水準となる。
現時点では、Zcashは大規模な買い集めと、テクニカル面での脆弱性の間で均衡している。ガバナンス面の衝撃が大幅なディスカウントを生み、クジラが即座に反応した。今後の動きは、開発勢いと価格構造が再度かみ合うかどうかにかかっている。