Zcashは、11月に急落で時価総額が半減した損失からの回復を試みている。直近の40%上昇で市場に楽観論が戻ったが、いくつかの根本的要因からZECの本格的な回復には依然として課題が残る。
Zcash、ビットコインの動きと乖離
RSIは、Zcashに対する上昇傾向のセンチメントが強まっていることを示す。指標はほぼ2週間ぶりに中立の50.0を上回り、市場の信頼感向上を示唆。プラス圏入りはトレンド転換の初期兆候となる場合が多く、ZECの上昇継続を後押しする可能性がある。
ただし、RSI上昇だけでは完全な回復の保証にはならない。市場全体は引き続きマクロ経済動向に敏感であり、センチメントの小さな変化でもZECの勢いに影響する可能性。現状の上昇基調を維持するには、さらなる強気な圧力が不可欠。
SponsoredZcashとビットコインの相関は現在-0.47であり、BTCの回復傾向が見え始めた中で負の関係が続く。この乖離はZECにとってリスクとなる。ビットコインがさらに上昇した場合、負の相関によって相場全体が強い時にZECの上値が抑えられる展開も考えられる。
一方、ビットコインが勢いを失い下落すれば、負の相関がZECに有利に働き、単独で上昇トレンドを継続できる場合もある。このダイナミズムにより不透明感が残り、ZECの今後の動きはビットコインの次の主な動向に大きく左右される。
ZEC価格に回復の兆し
ZECは本稿執筆時点で439ドル付近で推移し、重要な442ドルのレジスタンス直下に位置。直近の40.5%上昇は注目に値するが、11月に記録した55%の暴落を埋めるには不十分。
真の回復には、Zcashが今後数日で約59%上昇し、700ドル到達が必要となる。短期的には、442ドル超えで水準がサポートに転換すれば、520ドルまでの上昇余地が見込める。
ビットコインとの負の相関関係が逆風となれば、ZECは403ドルまで下落し、場合によっては340ドルまで値を戻す恐れもある。これにより直近の上昇分の多くが消失し、上昇傾向の見通しも失われることとなる。