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240%の急騰後にZcashが急落|プライバシー革命は終焉か

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Shota Oba

07日 10月 2025年 18:43 JST
Trusted-確かな情報源
  • Zcashは月間240%の急騰後に17%下落し、プライバシーコインの勢いの持続性に疑問を投げかけている。
  • ZECのGoogle検索数が5年ぶりの高水準に達し、短期的な変動にもかかわらず再び関心が高まっていることを示している。
  • アナリストは、Zcashの上昇を世界的なAML規制の強化に関連付け、プライバシーコインが戦略的な重要性を取り戻す可能性があると示唆している。
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暗号資産の老舗プライバシーコインであるZcash(ZEC)は、急騰の後わずか2日で17%超の急速な調整を見せた。

それでもデータは、Zcashの存在意義と物語がいまだ消えていないことを示唆している。

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Zcashの変動性が議論を呼び、プライバシーコインが再び脚光を浴びる

Messariのデータによれば、ZECの価格は過去1か月で240%上昇し、社会的・分析的注目度を示す「マインドシェア」は804%急増した。

ZEC Price and Mindshare Metrics
ZECの価格とマインドシェア指標 出典:Messari

同時に、GoogleトレンドでもZcashの検索関心度が5年ぶりの高水準に達しており、プライバシー重視型暗号資産への関心が再燃している。

Zcash Global Searches
Zcashの世界的検索トレンド 出典:Googleトレンド

X(旧Twitter)上の投資家心理は、今回の下落を「急騰後の自然な利益確定」と見ており、トレンド反転ではなく健全な調整と捉えている。

一方で、SNS上では「プライバシーは基本的人権である」という議論が再燃。CryptoQuantのオンチェーンアナリストであるキ・ヤング・ジュCEOは、Zcashの上昇が世界的なマネーロンダリング防止(AML)規制の強化に関連している可能性を指摘している。

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「Zcash投資家は、AML規制強化の流れの中で、ビットコインやステーブルコインからプライバシーコインへ“グレー資金”が移動するのを見越しているようだ」と同氏はXで述べた

言い換えれば、監視の強まるメインストリーム資産から、プライバシーコインに資金がシフトしている可能性がある。

プライバシーへの普遍的な需要はZcashの“保険”か

こうした潮流は、著名投資家ナヴァル氏のバイラル投稿とも重なる。彼はZcashをビットコインのボラティリティに対するヘッジと位置づけた。

「ビットコインは法定通貨に対する保険であり、Zcashはビットコインに対する保険だ」とナヴァル氏は投稿している。

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この主張は、ビットコインの透明な台帳ですら完全な金融プライバシーを保証しないというプライバシー擁護派の主張を後押しした。

Zcashの再評価は、過去にも見られた「規制強化期=プライバシーコイン高騰」という周期的パターンを反映している。しかし今回は、単なる投機ではなく、構造的なプライバシー需要の再認識に基づくものとの見方が広がっている。

一方で、トレーダーのpath.eth氏は慎重な楽観姿勢を示し、Zcashがさらなる上昇と大幅下落の分岐点にあると分析している。

「Zcashが再びフェイクブレイクを起こさず、利益確定の波で沈まなければ、私の古いZECチャートがようやく現実になるだろう」と語った

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ただし、Zcashの高ボラティリティは両刃の剣だ。世界的なAML/KYC規制が拡大する中で、取引所はプライバシー資産の上場維持に対する圧力を強めている。

それでも、Zcashの哲学的中核──「個人が自らの取引を秘匿する権利」──は、自由と自律を重視するユーザー層に深く響き続けている。

直近24時間でZECは約10%下落し、ボラティリティの高さを再確認させた。それでも多くのアナリストは、プライバシー需要の高まりが次の上昇局面を支えると見ている。

ZEC Price Performance
Zcash(ZEC)の価格推移 出典:BeInCrypto

執筆時点で、ZECは146.60ドルで取引されており、前日比9.74%の下落となっている。

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