2月最終週は再び下落の波が訪れ、短期トレーダーの間ではアルトコイン価格がさらに下落するとの見方が強まっている。一方で、この見通しにはリスクも高まってきた。価格が強力な需要ゾーンに接近すると、不意の反発が起こる可能性もある。
今週、いくつかのアルトコインではロングとショートの清算予定額に顕著な不均衡が出ている。こうした状態は、大規模な清算が発生しやすい環境を生み出す要因。
1. イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)の7日間清算マップを見ると、多くのトレーダーが今月末まで続落を見込み、資金やレバレッジをショートポジションに投入している。
この結果、現在はショート側の潜在的な清算が圧倒的に多い。仮にETHが今週2,000ドルまで反発すれば、ショートポジションで最大20億ドルの清算が発生する可能性。
さらにETHが2,160ドルまで上昇した場合、ショート清算額は最大36億ドルに達する見込み。
短期トレーダーが弱気に傾く理由もある。BeInCryptoの最近の報告によれば、ヴィタリック・ブテリン氏は2026年2月中に所持するETHのうち8800ETH超を縮小。一方、イーサリアムのバイナンスへの流入は2025年11月以来の高水準となった。
しかし、強気なシグナルもいくつか見えており、サプライズ的な反発の可能性が高まってきた。
ETH ETFへのフローは4週連続の流出を経て、現在プラスへと転じている。さらにCryptoQuantのデータによれば、過去6か月間のETH蓄積アドレスへの流入が過去最活発な水準となっている。
こうした状況を踏まえ、ショート勢は突発的な価格反転リスクを抑えるため、レバレッジ水準の見直しが必要となるだろう。
2. バイナンスコイン(BNB)
ETH同様、バイナンスコイン(BNB)も継続的な売り圧力に直面している。6週連続で週足が陰線となり、明確な回復の兆しがないため、トレーダーはショート優位のポジションを維持。
しかしこのポジション取りは、BNBが反発した際には清算リスクを高めることとなる。
今週BNBが640ドルまで上昇すれば、ショート側の潜在的な清算は3500万ドル規模となる。さらに680ドルまで上げれば清算額は6000万ドルを超える可能性。
なぜショートトレーダーは警戒を続けるべきか。
まず、BNBは2024年に形成された長期サポートトレンドラインに近づいている。強いサポート付近でのショートは、リスクが高くなりがち。
また、暗号資産アナリティクスアカウント「On-Chain Mind」が示すデータでは、BNBは短期保有者実現価格水準のおよそ37%下で取引されている。過去、この水準は割安とされ、大幅な価格修正の前兆となってきた。
「現在、短期保有者実現価格水準の約37%下で取引されている。過去、この水準は大きな割安シグナルであり、BNBはこのようなゾーンから急激な価格修正を繰り返してきた」と、On-Chain Mindは報告した。
BNB下落に過度な自信を持つショート勢は、モメンタムが反転した場合、大きな損失を被るリスクがある。
3. ビットコインキャッシュ(BCH)
ビットコインキャッシュは、より広範な暗号資産ベアマーケットでも、その影響を受けていない数少ないアルトコインのひとつとして際立つ存在。
しかし、2月最終週に入り短期トレーダーはビットコインキャッシュに対して強気から弱気へと転じている。その結果、ショート側の潜在的清算額がロング側を大きく上回る状況となった。
Bitinfochartsのデータによると、クジラがここ数か月BCHを積極的に蓄積している。あるクジラのアドレスは2か月間で40万BCHを蓄積し、ネットワーク内で3番目に大きな保有者となった。
さらに、BeInCryptoの最近の報告によると、BCHネットワーク上の平均取引額が200万ドル超まで急増し、昨年の約100倍に達したという。
このような状況下、強いレバレッジをかけたショートポジションは、BCHが反発した場合に清算リスクに直面する可能性がある。今週630ドルまで上昇すれば、最大4500万ドル相当のショート清算が発生する恐れがある。
一般に、極端にネガティブなマーケットセンチメントはショートスクイーズに適した環境となりやすい。
「現在の暗号資産業界のセンチメントは非常に悪いので、逆にかなり楽観的だ」ジェミニ共同創業者のタイラー・ウィンクルボス氏は述べた。
このような環境下でもショートの売り方が利益を得ることは可能である。ただし、利確の規律やリスク管理が不十分だと利益はすぐに消失し、損失に転じる場合がある。