8日、約5,000億円相当のビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)のオプションが満期を迎える。これは市場の安定性を試す重要な節目となる可能性がある。トレーダーの間では次の値動きに関して意見が分かれており、ボラティリティ戦略に注目が集まっている。市場が膠着状態から抜け出すかどうか、重要なサポート水準に関心が寄せられている。
ビットコインとイーサリアムのオプション満期が迫る、49億6000万ドルが懸かる
Deribitのデータによれば、ビットコインでは4,090億円相当のオプション契約が満期を迎える。ディーラーが最も損失を被らず、かつ多くのオプションが無価値になる水準、いわゆる「マックスペインポイント」は11万6,000ドルに設定されている。
ビットコインの総オープンインタレスト(OI)は34,954契約で、プット・コール比率(PCR)は1.46。これは売りオプション(プット)が買いオプション(コール)より多いことを示し、やや弱気寄りのポジション傾向を示している。

イーサリアムについては規模は小さいが依然として重要だ。Deribitでは、日本時間8月30日17時(8:00 UTC)に876億円相当のオプションが満期を迎え、未決済建玉は223,433契約となっている。
マックスペインポイントは3,675ドルで、名目価値の876.3億円と一致。PCRは1.14で、ビットコインよりも中立的な市場センチメントを示している。

Deribitのアナリストは、現在のOI分布について以下のように問いかけた。
OIの分布は、スポット価格以下にプットが集中し、コールが上に積み重なっていることを示唆している。満期が市場を揺るがすと思いますか?
Deribitアナリスト
ただし、このポジションの偏りは、満期を迎える本日8:00 UTCまでは価格をレンジ内に留める圧力として作用する可能性がある。
低ボラティリティが市場センチメントを支配
Greeks.liveのオプションアナリストによれば、市場全体では入り混じったセンチメントが見られるものの、多くのトレーダーが低ボラティリティ環境に適応しているという。
インプライド・ボラティリティ(IV)が32%という水準にあることへの懸念はあるが、トレーダーは特に週末満期のBTC 112,000ドルストライク周辺でプットを積極的に売却している。これは価格の安定もしくは緩やかな上昇を見込んでおり、プレミアムを収益化するうえで理想的な環境であることを示す。
トレーダーは32%のインプライド・ボラティリティの懸念にもかかわらず、週末満期の112,000ストライクでプットを積極的に売っている。
Greeks.liveアナリスト
同アナリストは、プレミアム売却戦略への強い信頼感も指摘しており、相場が有利に動いた際の利益確保につながるとしている。
さらに、BTCの5分足EMA100は重要なテクニカル指標であり、直近のセッションでは抵抗とサポートの双方として機能している。現在、ビットコイン価格はこの移動平均を下回っており、短期的な弱気の勢いを示唆している。

この水準を巡っては、プット売り手による防衛的な動きが出る可能性がある。特に112,000ドルストライク付近に多くのOIが集中しているため、トレーダーは損失回避を目的に価格を押し上げようとする可能性がある。この行動が、本日の5,000億円規模のオプション満期に伴うボラティリティを増大させる要因となるかもしれない。
満期がボラティリティ急騰をもたらすかは依然不透明だ。多くの契約が終了により、BTCやETHが主要なテクニカル閾値を突破した場合、急なポジション調整が発生するリスクは常に存在する。
それでも、多くのトレーダーがボラティリティ売りのポジションを取っているため、市場コンセンサスは依然として小幅な値動きに傾いている。
もっとも、これらのポジションが解消された場合、満期後の市場は新たな方向性を模索する可能性がある。特にマクロ経済イベントや流動性が変化があれば、その影響は顕著となるだろう。
一方で、トレーダーが防御的な姿勢を維持し、低ボラティリティの週で収益確保を図っている間も、市場環境は急変する可能性がある点には留意が必要だ。
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