アブラクサス・キャピタルがイーサリアムに837億円を投資＝アルトシーズンへの影響

アブラクサス・キャピタルは、30億ドルの投資運用会社であり、イーサリアム（ETH）に8億3700万ドルを割り当て、総ポートフォリオ価値を9億5000万ドル以上に引き上げた。この大胆な動きは、ETHに対する機関投資家の信頼の高まりを反映しており、アナリストの間でアルトコインシーズンの到来の可能性についての憶測を呼んでいる。

特に、同社が保有量を増やす決定を下したのは、イーサリアムへの関心が高まっている中でのことだ。トレーダーたちはETHをますます購入しており、取引所の準備金は9か月ぶりの低水準にまで減少している。

なぜ投資家はイーサリアムを購入するのか

2025年に価格パフォーマンスの低迷と売り圧力の増加に直面したイーサリアムは、ペクトラアップグレード後に転機を迎えた。この実装により価格が上昇し、資産への投資家の関心が急増した。

最近のBeInCryptoの報告によると、過去1か月で100万ETH以上が取引所から引き出された。また、CryptoQuantのデータによれば、取引所の準備金は2024年8月末以来の水準にまで減少している。これは潜在的な上昇傾向を示唆している。

買い手の中で、アブラクサス・キャピタルはその積極的な蓄積戦略で際立っている。Lookonchainのデータによれば、同社は本日、4万6295ETHを1億1530万ドルで購入した。

この取得は3日間の短い休止の後に行われた。重要なのは、投資マネージャーが月初からETHの保有量を継続的に増やしていることだ。

5月7日から現在までに、同社は35万703ETHを8億3700万ドルで蓄積し、平均購入価格は2386ドル。この時点で5000万ドルの未実現利益を生んでいる。

同社のETH戦略は、ビットコインからの転換によってさらに支えられている。BeInCryptoはアブラクサスがビットコインの保有量を大幅に減らし、資本をイーサリアムに向けたと報じている。

アブラクサス・キャピタルのイーサリアムへの注力は、2023年7月に立ち上げられたアルファ・イーサリアム・ファンドの目的と一致している。このファンドは、オプションと利回り生成戦略を通じた条件付きレバレッジを活用し、ETHのネイティブな価格パフォーマンスを上回ることを目指している。実際、2024年にはアルファ・イーサリアム・ファンドは62.7%の利益を上げ、イーサリアムの50.9%の上昇を上回った。

ETHの蓄積はアルトコインシーズン到来の兆しか

一方、アブラクサス・キャピタルのイーサリアムへの注力は暗号資産コミュニティで注目されている。これらの動きがアルトシーズンを引き起こす可能性があると考える人もいる。

アナリストのアトラスは、アブラクサスのETH活動は典型的な高リスクの投機的な動きではないと指摘。同氏は、イーサリアムがこのサイクルの「機関投資家のお気に入り」になりつつあると考えている。

同氏は、同社が2021年にアラメダ・リサーチが行ったのと同様のプレイブックに従っていると付け加えた。イーサリアムを早期に購入し、ポジティブな市場の物語を促進し、その後アルトコインに移行してアルトシーズンを引き起こす。

「ETHの回転はシグナルであり、アルトシーズンが本当の動きだ。2021年を点火した同じマシンが、より深いポケットを持って戻ってきた」と述べた。

アルトコインシーズンの復帰は業界の多くの人々が期待していることだ。MEXCのCOOであるトレイシー・ジンは、ビットコインの支配力が顕著に低下し、アルトコインの時価総額が急増し、USDTの支配力が低下しているとBeInCryptoに語った。

「イーサリアムのパフォーマンスは、アルトシーズンの潜在的な開始を示すもう一つのシグナルだ。ETHトレーダーの間で大きなショートポジションがあり、持続的な弱気センチメントが以前は下落トレンドの継続を示していたが、リスク志向の高まりがETHと小型アルトコインへの関心を再燃させた」とジンはBeInCryptoに明かした。

同氏は、技術的にはまだ「ビットコインシーズン」だが、アルトコインの回転の基盤が明確に形成されつつあると付け加えた。資本がこの方向に流れ続ければ、アルトコインシーズンの第1フェーズが予想より早く始まる可能性がある。