米国発のフィンテック企業アルパカが、インド国際金融経済特区を拠点とする証券会社Zincmoneyの買収合意を発表した。同社は2025年に欧州の証券会社を買収しており、世界各地での証券ライセンス網の構築を急速に進めている。インド市場への参入は、成長著しいアジア地域での基盤強化を狙う戦略の一環である。
アルパカは6日、グジャラート国際金融テックシティー(GIFTシティー)で事業を展開するZincmoney IFSC Private Limitedの買収合意を明らかにしていた。同社は米国、日本、バハマで証券ライセンスを保有し、2025年7月には英国・欧州のWealthKernelの買収も発表している。これらの動きは、地域ごとの規制に対応した証券サービスの提供体制を整備する取り組みだ。
Sponsoredグローバルライセンス網を拡大
アルパカは日本人共同創業者の横川毅氏と原田均氏が米カリフォルニアで創業したフィンテック企業。株式、ETF、オプション、債券、暗号資産などの取引インフラを金融機関向けに開発・提供し、世界40カ国で300社以上の顧客を持つ。今回の買収により、同社の証券ライセンスは北米、欧州、アジアの主要市場を網羅する体制となる。
Zincmoneyは、インド政府が国際金融ハブとして育成を進めるGIFTシティーで証券業務を展開してきた。同社が保有する証券ライセンスと決済サービス基盤は、インドの規制環境に適合した事業運営を可能にする。アルパカはこれらの資産を活用し、現地の金融機関やフィンテック企業へのサービス提供を強化する方針。
インド市場の成長を取り込む
インドでは個人投資の拡大とデジタル金融サービスの普及が進んでおり、投資サービス市場の成長が期待されている。GIFTシティーは優遇税制などを背景に、国内外の金融機関やフィンテック企業の進出が加速している。アルパカは今回の買収で、この成長市場への足がかりを得た形だ。
アルパカの横川CEOは「インドは長期的に世界で最も重要な市場の一つである」とコメントしている。
同社は世界の主要投資家から累計3億2100万ドルの資金を調達しており、グローバル展開を推進している。Zincmoneyの共同創業者Mayuresh Kini氏は、買収後にアルパカのインド法人CEOに就任する予定。
今回の買収はインド当局の承認を前提としており、完了時期は明らかにされていない。アルパカは「地球上のすべての人に金融サービスを開放する」というミッションのもと、アジアを含む世界市場での事業拡大を継続する構えである。